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粉飾決算が行われた場合の税金計算 ~すぐに還付になるの?~

粉飾決算が行われた場合の税金計算 ~すぐに還付になるの?~

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今回は更正の請求について、ご説明します。
以前、粉飾決算や実務では上場維持や企業価値の見せ掛けの向上のために、更正の請求が用いられることをご紹介したことがあります。それは一定のル-ルに準拠して利益の金額を多く計算・表示するものでした。

 

今回は、両者の関係について法人税を例にあげてみていきたいと思います。
粉飾で経営者が逮捕された事例など枚挙にいとまがありません。粉飾決算が行われた場合、利益を適正に計算すると少なくなります。そうすると所得も減りますから、法人税法との関係はどうなるのか、計算を単純にし直して、適正にしてその差額を還付してくれるのだろうかといった疑問をもたれると思います。

 

しかし、答えはNOです。更正の請求の対象にはなりますが、まず前年分に収めた税金から還付が行われます。そして、更正の日が属する事業年度から遡って5年間納付した税金から順次還付が行われることとなります。

 

このように扱われる理由は皆さんもなんとなくわかると思います。
つまり、企業自ら不正経理をしておいて、その場しのぎをしたにもかかわらず、税金面で更正の請求を他の事由と同様に認めてしまうのでは、課税の公平が保たれないとともに、納税意識が低まってしまうという悪影響がでてしまうからです。

 

いずれにしろ、粉飾決算自体はその行為の悪性が強ければ、会社法、金融商品取引法や刑法などで裁かれるものですから、経営者の選択としては、非難される対象そのものなので、国の基本である税法においても簡単には更正の請求を認めないのです。

 

更正の請求は、処理件数に対する税務署の人員が足りないようで時間がかかる場合もあるため、その点にも気を付けてもらいたいと思います。

 

 

編集:PILES GARAGE 編集部
 
整備士プロフィール

安村 雅己
株式会社mannaka/監査役
安村税理士オフィス/代表
会計税務等関与して35年。中堅企業や医療関係、非営利法人等多様な実務経験あり。
起業を起点として、会社の為、経営の安定成長を目指しています。
夢の共有がすべてだ。税務、会計のみならず法務、財務といった幅広い知見をフル活用。
一橋大学大学院博士前期課程修了の税理士、法学修士として、広範な問題に対応。
研究者、講師や監事、監査役も。戦う税理士としてクライアントの為に全力投球。

 

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