外国人留学生の就職3割、優秀人材の確保目指す
留学生の受け入れ6割、就職は3割に留まる
日本における外国人留学生の雇用拡大に向けて、政府が動きを見せています。
日本学生支援機構によると、2017年度の外国人留学生は26万7042人。受け入れ数は、直近5年で6割増と年々拡大しています。しかし、卒業後も日本で就職する留学生は全体の3割程度にとどまります。そこで、政府はこの割合を5割に引き上げることを目標としています。大学や大学院の卒業生だけをみても、2016年度は卒業生が約2万6000人であったのに対し、日本で就職した割合は33%に留まりました。政府は、高度な技術や発想を持った外国人が起業しやすい環境を整え、優秀な人材を日本に引き留め、新技術開発や産業の国際競争力の強化を目指しています。
日本での就職・起業支援、大学の課題
日本学生支援機構が外国人留学生に実施した調査では、日本で就職を希望する留学生が6割超、起業を希望する留学生も1割ほどいます。大きな課題となるのは、学業と起業のための資金確保など準備を両立させることだという声が多くあります。
在学中に起業を志しても、事業に直結する活動実績や事業計画書、大学の推薦状や資金調達の証明書などがないと準備期間の滞在は認められないのが現状です。そのため、留学生は卒業後に一度帰国して、起業準備をしたうえで新たに在留資格を取得するか、国内企業に就職して働きながら起業準備をすることになります。卒業後の進路の選択肢を増やし、日本国内での新規産業の創出や育成に繋げるには、留学生の就職支援が各大学の課題だと言えます。
他方、地方の大学は留学生の受け入れが多いものの、卒業後は就職のために都市部に流出してしまうことも悩みのタネだと言います。留学生の起業支援分野では、地域産業の活性化にも繋がることから、自治体と大学の連携も強化されていきそうです。
経産省、留学生の在留資格を検討
これまで、日本で学んだ外国人留学生が起業を試みた場合でも、準備目的でのビザはほとんど発行されませんでした。特例は国家戦略特区に認定された福岡市などごく一部の自治体に限ります。福岡市はこの2年余りで支援体制に力を入れ、アジアや欧米、中南米などから約40の起業家予備軍を受け入れました。
経産省などは福岡市の仕組みを参考に、2018年秋頃に在留資格の新たな枠組みを全国に設ける方針です。経産省の認定を受けた自治体は、外国人起業家の予備軍を受け入れる権利を得られると共に、留学生も学生ビザから起業準備を目的とした在留資格に切り替え、在留期間も延長できる体制を計画しています。現在の起業準備のための在留期間は半年間のみが認められており、準備期間が足りないといった声が多く出ています。そこで、新制度では1年間に延ばす方針です。
執筆/編集:PILES GARAGE
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