TUNE-UP by another life.「第15回:起業するなら20代?30代?それぞれの注意点とは」

TUNE-UP by another life.「第15回:起業するなら20代?30代?それぞれの注意点とは」

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これからの時代を、自分が生きたいように生き抜くためのコラム「TUNE-UP」。人生経験のシェアリングサービス「another life.」が提供する様々な人生のパーツを組み立て、自分らしいキャリアや働き方を考えるキッカケを提供します。

 

今回のテーマは「起業するなら20代?30代?それぞれの注意点とは」。いつか起業したいという思いを持ちつつも、起業のタイミングに悩まれている方も少なくないのではないでしょうか。

 

20代での起業と30代での起業では、起業に至る経緯やぶつかる困難はどのように違うのか。それぞれ、どのような点に気を付ければいいのか。another life.の人生インタビューから実際の経験をもとに見ていきます。

 

この記事で取り上げる「起業」という共通点のあるおふたり。まずは起業を意識するまでの経緯をそれぞれご紹介します。

 

金田和也さん(新卒でインターネット広告販売会社→26歳で起業)

 

高校生で経営者になることを決意して経営学部に進学。大学生の時、リーマンショックで父の事業が傾き、学費を稼ぐため光インターネット回線の営業を始める。営業の厳しさを痛感するも、企業で働く楽しさから、その後も様々な会社で営業インターンを重ねた。就職活動では、3年で起業することを受け入れてくれたベンチャー企業に就職を決め、インターンも始める。しかし、うちの会社じゃもったいないと上司から他社を紹介され、インターネット広告販売会社に入社を決めた。

 

米田瑛紀さん(人材サービス運営会社→営業アウトソーシング→35歳で起業)

 

起業して社長になろうと、中学生の頃意識し始める。大学で青年実業家の先輩の事業を手伝い始める。ある時、人材サービス事業を展開する企業の役員と接し、人材業界への適性を感じ、卒業後その企業で働き始めた。入社して売り上げに大きく貢献し、わずか2年で役員に就任。しかし、自分は経営に食い込めないと感じ、お世話になっていたクライアントからの誘いで、27歳で営業アウトソーシングのベンチャー会社創業に参画することを決意。

 

起業を決めた背景にあったもの

以前から起業に興味を持っていたおふたり。実は途中で転職など他の選択肢と迷いながらも、最終的に起業という道を選びました。

 

「転職の誘惑」
金田和也さん(インターネット広告販売会社→26歳で起業)

 

3年で独立すると公言して入社したため、様々な仕事をさせてもらえた金田さん。独立するときの事業内容も固まっていきました。しかし、ハードに働いた結果周りから評価されることが増え、他社からのスカウトを受けるようになります。

 

社会に出てみて、自分の視野の狭さや経験の浅さを感じていたので、他の会社で経験を積んだ方が良いのではと考えていました。転職の誘惑に負けそうになり、独立への気持ちが揺らぎ始めたんです。

 

ただ、3年で独立すると宣言していたので、先輩に転職も考えていると話すと、「口だけの人間なんだ・・・」と嫌悪感を醸し出されることもあり、苦しい状況でした。
(another life.記事より)

 

そんな中、一緒に起業しようと話していた友人から急かされ、自分の気持ちを整理する間もなく、26歳で友人とふたりで起業することを決めました。

 

「起業できていないことへの焦り」
米田瑛紀さん(人材サービス運営会社→営業アウトソーシング→35歳で起業)

 

創業期のベンチャーで逆境続きの中で次第に事業が軌道に乗っていき、個人的にも営業として一皮むけた感覚を持っていた米田さん。

 

ところが、30歳を迎えると、ふと焦りを感じるようになったんです。「あれ、俺、30歳には起業すると思っていたのに」と感じたんですよね。

 

とはいえ、創業の苦しい時期を乗り越えて会社はうなぎ上り。会社が面白くて居続けてしまう状況に後ろめたさを感じていました。

 

そこで、今すぐにこのタイミングで起業しようという発想には至らなかったものの、少し期限を遅らせて、35歳には自分で会社を立ち上げようと決めたんです。そんな風に改めて目標を設定してからは、会社にコミットしながらも、自らの独立の準備を進めていきました。
(another life.記事より)

 

今置かれている状況や他の選択肢に魅力を感じると、起業への思いが揺らぎそうになることもあります。期限を設ける、など多少の強制力があるといいかもしれません。

 

起業してぶつかった壁

「のびのび働ける環境づくり」
金田和也さん(インターネット広告販売会社→26歳で起業)

 

資金的に厳しい時期を乗り越え、事業も成長してメンバーも増えていきます。

 

ただ、マネジメントがうまくいかず、組織が混乱し、崩壊したこともありました。周りに完璧を求めすぎて、欠点やできていない部分ばかりに目を向けてしまったんです。

 

しかし、自分で現場に出ることで、お客さんから辞めてしまった社員への評価を聞いたり、現場の大変さを知るうちに、自分のやり方が間違っていたと分かりました。自分には何の取り柄もないのだから、得意分野を持つ人たちがのびのびと働ける環境を作るのが自分の仕事だったと。
(another life.記事より)

 

自分が仕事をしやすかったときの上司を思い出して、周囲の話を聞きき、一度はチャレンジさせた上で適切なアドバイスをするなどして、「今後できる人になるか」という可能性に投資するように意識するようになりました。

 

「1期目で倒産間近になり再スタート」
米田瑛紀さん(人材サービス運営会社→営業アウトソーシング→35歳で起業)

 

ベンチャー企業の創業に携わり、会社における顧問の重要性を感じていた米田さん。35歳で満を持して、企業に向けた人脈を通じた営業網を利用したセールスアライアンスサービスを提供する、エッセンス株式会社を立ち上げます。

 

実際にサービスを開始してみると、特に営業力に課題を抱えている企業から多数の問い合わせを受けるのですが、正直、玉石混交という印象で、営業先からも「エッセンスが持ってくる商品は弱い」と言われてしまったんです。

 

35歳でやっとスタートできた会社が、1期目で気づけば倒産間近になってしまっていたんです。学生時代から、ここぞというタイミングで手を抜いてしまっていた弱さが出たような形でした。周りでは前職の後輩が先に起業して順調に軌道に乗っており、「米田さんがついに起業する」と期待もしてもらっていましたし、自分の起業に恥じないような新しいものを作ろうという自信や意気込みもありました。その結果、大事な部分の検証を怠ってしまっていたんです。前職を一緒に退職して、ついて来てくれた創業メンバーも会社を離れることになり、もう心はボロボロでした。
(another life.記事より)

 

その後改めてマーケットと向き合ってみると、社外の営業参謀と企業のマッチングにニーズがあることに気付きます。2期目からビジネスモデルを一新。自分の人脈を活かして顧問となる方を集めることから始め、徐々に軌道に乗っていきました。

 

20代起業と30代起業、それぞれ注意するべきこととは

20代での起業は、組織の上層部にいる経験をあまり積めないまま起業に至るケースが多く見られます。そのため、事業としてはニーズがあっても、組織マネジメントという点を見落として、事業がうまく回らなくなるリスクがあります。

 

一方で、30代での起業となると、年齢的に事業経験や組織経験は20代と比べて多いでしょう。ただ、市場で新たなチャレンジをする場合、独立前までの経験をそのまま活かせるとは限りません。プロダクトやクライアントと向き合うことがおろそかになってしまわないよう気を付ける必要があります。

 

起業までの経験が異なるため、同じ起業でも20代と30代では気をつける点は異なります。また、20代には今の現場の状況を具体的に把握できていること、30代には人脈と経験値という強みもあります。強みを生かしつつ、それぞれ注意するべきことを踏まえて起業に向けて準備していくことが、成功のカギと言えるでしょう。

 

お二人の将来の展望や、更に詳しい軌跡については、以下の記事からご覧ください。

 

関連記事
金田和也さん
https://an-life.jp/article/700
米田瑛紀さん
https://an-life.jp/article/542

 

執筆者:another life.編集部

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