“ママのできない”を解決する女性起業家 天沼幸子氏が考える女性の起業について

“ママのできない”を解決する女性起業家 天沼幸子氏が考える女性の起業について

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「欲しがられる人材になりたい人が集まるプラットフォーム」である、『PILES GARAGE』。企業を”個”の力で支える、「杭(PILES)」のような人材を育てる「場所(GARAGE)」として、「欲しがられる人材」とはどのような人材であるのか、様々な人のお話を聞くことで改めて考えてみようと立ち上げたこの対談企画。

 

今回は、ファモニィ株式会社 代表取締役の天沼幸子氏にお話を伺いました。ファモニィ株式会社は、美容室や整体院などのママにとって利用しづらかった場所に、赤ちゃんと一緒に安心して来店しリフレッシュしていただけるよう、プロの保育スタッフがお子様を店舗内でお預かりする「ママトコタイム」という託児サービスを提供しています。その「ママトコタイム」を運営するのが、自身も2人のお子さんの育児をするママである天沼氏。”ママのできない”という問題を解決する女性起業家 天沼氏が考える「女性の起業」について、今回はお話を伺ってきました。

 

以下

天沼:ファモニィ株式会社 代表取締役 天沼 幸子

柴田:株式会社mannaka 代表取締役 柴田 雄平

 

 

「ママトコタイム」天沼氏の起業のきっかけ

柴田

今日はよろしくお願いします。でははじめに、幸子さん(天沼氏)が起業をしたきっかけを教えてください。

 

天沼

私が最初に就職したのは、外資系のコンサルティング会社だったのですが、当時は毎日のように終電まで仕事をし、早朝の電車で出勤するという生活リズムで、「10年先、20年先の自分の働き方」を考えてキャリアを見直し、コンサルティングで培ったスキルを活かせるシンクタンクに転職をしたんです。そこで、私はその会社の新事業開発部で、女性3人でプロジェクトを立ち上げました。会社の名前を借りていろんな会社の役員さん達に会いに行って話を聞き、事業案を作って提案をしたんですけど、なかなか前に進めることができず、それならば自分でやろうかなと思ったのが起業の一つのきっかけです。

 

自分で事業を始めることに決めてから、私が最初にやったことは、自分がやりたい分野の軸を決めて絞り込んでいくということでした。その時に浮かんできたのが、モバイルサイトのサービスだったんです。最初は、女性向けのサービスだったんですけど、いろいろ試行錯誤をしていくうちに、「空き時間の活用ってことは要はママだよね」ってことになって、ママ向けのサービスになった感じです。

 

そのママ向けのモバイルサイトのサービスを経て、現在のママトコタイムに至ります。「ママトコタイム」を始めた時は保育事業会社と提携をしてサービスを広げていきました。保育のことも学び、やり始めたらどんどん面白くなってき、そのうちに、自分たちでも「ああしたい、こうしたい」というアイデアがいろいろでてきたんですよね。そんな時に幸いにも協力くださる方たちがいて、自分たちで託児の現場での仕事もやり始めました。おかげ様でスタッフも良い方達ばかりで今はうまくいっています。

 

▲子どもと一緒に美容室などに通える、保育サービス「ママトコタイム」

 

事業がうまくいかず、起業家を辞め会社に戻ろうか悩んだこともあった

柴田

幸子さんが起業した時に苦労したことを教えてください。

 

天沼

私が起業したのが2009年、34歳の時なので、事業を始めてから7年になります。最初に始めたのは、美容院の空き時間とママの空き時間をマッチングさせるモバイルサイトだったんです。店舗側のお客さんの少ない時間帯と、ママが行きやすい時間のマッチングですね。店舗側としては元々お客さんが少ない時間帯にお客さんが来てくれるから嬉しいし、ママは美容院に安く行くことができて嬉しいという構想で始めたんですけど、実は全然マッチングができなかったんです。

 

私のやり方の問題もあったと思うんですけど、実際にサービスについていろいろヒアリングをしていくと、ママぐらいの世代になると、安かろうで美容院に行く人が減ってくるということが分かったんです。ママ達は、「このスタイリストさんに切ってほしい」とか「行くのはいつもこの美容院」と決まっている人が多くて、ちょっとぐらい安いからといって美容院を変えるという人がなかなかいなかったんです。考えてみると、たしかに自分の周りのママ達もそうだったなということに気が付きました。

 

でも、そこでさらにヒアリングをしていった時に、今の「ママトコタイム」の原型みたいなサービスがあったらいいんじゃないかって思うようになったんです。そして、ある美容室さんでテストマーケティング的に、私が美容室で子ども達を見てあげるということをやってみたら反応がすごく良かったんですよ。

 

でも私自身も子育てが結構大変で、前の事業も動いている中で新しいことをやることに対しては、ずっとどうしようか悩んでいたんです。前の事業は譲渡という形にはなりましたが、結果的には、結構な赤字を出してしまいましたし、もう起業家としての活動をやめようかな、と弱気になっていた頃でもありました。会社に戻ろうかなという話を旦那にしたこともあったんですよ。

 

柴田

幸子さんでも弱気になることがあるんですね(笑)

 

天沼

あるよ(笑) そうしたら旦那が「もうちょっと続けたら」って言ってくれたんです。「私ってなんて恵まれているんだ」と思いましたね。それから、保育事業会社さんと提携して、2、3店舗からやり始め、2年ほど前からは、自社でも保育事業をやり始めました。

 

 

 

起業を目指すママへ「とりあえず、一歩踏み出してみようよ」

柴田

起業を目指す女性やママが増えてきて、僕はとても良いことだと思っています。幸子さんが起業をしてからこれまで経験してきた中で、後輩の女性起業家たちに対して「これは大切にした方がいいよ」というアドバイスがあれば教えてください。

 

天沼

ずっと計画をしている人が、特に女性は多いなということを最近感じています。計画をすることはとっても素晴らしいことで、もちろん私も最初は計画を立てました。でも、その後に一歩を踏み出さない人、踏み出せない人がすごく多いんですよね。できるようになってから一歩踏み出そうとして、タイミングが永遠に来ない、と。

 

そうじゃなくて、やりたいと思ったなら、とりあえず仲間を集めてやってみればいいと思うんですよ。成功しても失敗しても、それは経験になるので。その経験を1つ1つ積み重ねていけば、ステップを踏んでどんどんできるようになるはずなんです。だから、とりあえず一歩踏み出したらいいんじゃないかなと思います。ただし、女性でパートナーがいる場合は旦那さんストップがかかることもあるんですよね。

 

柴田

いわゆる嫁ブロックの逆バージョンですね。

 

天沼

そう。さっき話したように、私の最初の事業は結果的にはうまくいかなかったんですけど、心が折れてしまった時に、もし一番近くにいるパートナーが「だから言っただろ? もう辞めろよ。」みたいな感じだったらすごく辛かったと思うんです。私の場合は、旦那に応援してもらえて本当に恵まれていたなと思うんですけど、事業がうまくいかなかった時にパートナーにそこをどうやって説明し、納得し、応援してもらうのかというのは難しい問題ですよね。

 

しっかり理解をしてもらうために動くのか、もしくは反対に何も相談しないか、どっちかに振り切っちゃった方がいいのかもしれないですね。でも何も相談をしないとなると、必ず成果を出さないといけないので難しいところはありますよね。

 

 

これからの若い世代の人たちへ「できない理由を探すな」

柴田

幸子さんが考える、「社会から必要とされる人材、欲しがられる人材」ってどういう人ですか?

 

天沼

実際にできるかどうかは分からないけど、自分の中で出てきたアイデアに対して「でも、やっぱりこれって難しいよね」で簡単に終わらせてしまわないこと。そうではなくて、「こうやったらできるかも」という発想をできる人がもっと増えてほしいと思っています。楽観的なことが良いというわけではないですけど、「こんなやり方もあるかもしれない」と、自分なりに調べたり、人に聞きに行ったりできる人は社会から必要とされる人材になると思います。できない理由を探してしまう人や、自走できない人、失敗を恐れてしまう人って多いなということを感じています。

 

 

柴田

逆に、「失敗しに行ってきます!」っていうぐらいの方がいいかもしれないですよね。

 

天沼

そうそう。何も考えてないのはダメですけどね。ちゃんと理由があって、だからこれはいけると思ったんだけど、結果として失敗しちゃいました、というのは、できる方法を探さない人、失敗を恐れて動かない人よりも全然いいですよね。

 

天沼氏の今後の挑戦

柴田

では最後に、今後、幸子さんが挑戦したいことを教えてください。

 

天沼

1つは「ママになったら諦めるのではなく、ママになってもできる!」が当たり前の社会を目指し、ママトコタイムを通じて、子どもが生まれるまでは当たり前に行っていた美容院に行けるようになったり、子育てで痛くなった体を治しに整体院に行けたりと、ママが自分の時間を作り楽しめるように、「ママトコタイム」をさらに展開して行きたいと思っています。そしてもう1つは、フルタイム勤務が難しいママや隙間時間に働きたいママの、仕事の時間を増やせるようにしていきたいと思っています。女性って何かと制約が多いんですけど、でも社会と繋がりたいという気持ちはみんな持っているんですよね。

 

保育スタッフとなると地域が限られてしまいますけど、外では働けないっていう人でも働ける仕事はたくさんあるので、そういう仕事も作っていきたいと思っています。「家族」の中で女性の存在は大きいです。子育ては2〜3年で終わらない。だからこそ、意識をして自分の時間を作ったり、社会とつながったりすることで、ママが笑顔でいることが、家族にとっても大切と思っています。そんなことを考え始めると、私自身ももっとスキルアップをしていかないといけないので、これからも、もっともっと頑張りますよ!

 

柴田

今日はありがとうございました。

 

天沼

こちらこそありがとうございました。

 

ーーーー

今回は、ファモニィ株式会社 代表取締役の天沼幸子氏にお話を伺いました。1つ目のモバイルサイトのサービスの教訓を活かし、第2のサービスにトライし現在事業拡大している「ママトコタイム」。しかしその過程には「もう起業家としての活動を辞めようか」と思ったこともあったというようなこれまでの苦労と悩み、またそこからどうされたか、パートナーとの関係性などについてのお話を伺いました。そんな女性起業家の天沼氏から、同じ女性起業家へのアドバイスは、多くの起業家とビジネスマンにとっても今の自分の仕事のヒントとなったのではないでしょうか? この記事を読んだあなたにとって、ビジネス社会で活躍するためのヒントが見つかれば幸いです。

 

▶︎ファモニィ株式会社

ファモニィは、家族の生活を豊かにするサービスを提供します。

ファモニィ(Famony)は「family」と「harmony」の造語です。家族のつながりや楽しさ、思いやりの大切さを感じてもらえるようなサービスを提供したいという想いで名付けました。

HP:https://www.famony.co.jp/

記事:PILES GARAGE

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