今更聞けない 確定拠出年金とは?
社内の福利厚生制度を整える際に、重要な位置づけを占める確定拠出年金制度は、CFOを目指す人にとっては重要なワードとして押さえておかなくいけません。確定拠出年金制度については、2017年02月15日(水)日本経済新聞の朝刊にも取り上げられ、注目を集めています。
そもそも、確定拠出年金とはどういうものでしょうか。今回は、確定拠出年金の概要を簡潔に解説いたします。
確定拠出年金の概要
確定拠出年金(DC:Defined Contribution Plan)とは、アメリカの401Kという制度を参考にして導入された企業年金プランです。従って、「日本版401K」とも呼ばれます。確定拠出年金制度を理解するには、まず、日本の年金制度の構造を押さえる必要があります。
従来の年金制度は、公的年金と企業年金によって構成されています。国や企業は、「国民年金」「企業年金」などの形で、退職後の国民または従業員に定額の年金を支給するという「確定給付制」が特徴です。
それに対して、「確定拠出年金」では、企業側が一部を上乗せしながら、加入者が毎月一定の額を積み立てて運用し、運用の結果が老後に受け取る年金額のプールになるという「私的年金」です。加入者が老後に支給された年金額が運用の結果によって変動するという「変動給付制」が特徴です。
公的年金は、国の年金制度の基礎であり、日本の年金制度上は第一階または第二階に位置づけられます。それに対して、確定拠出年金という私的年金は、公的年金の補完であり、日本の年金制度上は第三階に位置づけられます。
では、CFOの立場として、会社が確定拠出年金を導入する場合どのようなメリットがあるのでしょうか。
確定拠出年金制度のメリット
①会社経営上、会計上の優遇を受ける点
・積立の際
加入者の拠出は所得控除され、企業の拠出は全額損金として計上できます。
・加入者が退職の際
国際会計基準により、一般の退職給付は負債として計上されなければなりません。しかし、確定拠出年金制度を利用する場合は、掛け金を全額損金にしたため、退職給付債務は発生させないので、会社の経営上の負債も生じません。
②福利厚生上、従業員に自由を与える点
従業員の自由を尊重し、従業員の意思に従って、運用の主導権をすべて従業員にゆだねることもメリットのひとつです。会社側は、確定拠出年金の運用に関与せず、確定拠出年金の積立金に毎月一部を上乗せするだけで、従業員ひとり一人の資産形成に関与することができます。このように従業員を支えることにより、福利厚生を一層充実させ、それによって会社の魅力を更に向上させることにもつながります。
終わりに
従業員と会社の双方にメリットのある「確定拠出年金」制度を、将来のCFOとして、ぜひ念頭に置いておくと良いでしょう。
執筆者:パイルズガレージ編集部
編集者:株式会社mannaka
協賛 :株式会社エスネットワークス
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