TUNE-UP by another life.「第8回:話題の副業解禁。経験談から見るメリットと注意点」

TUNE-UP by another life.「第8回:話題の副業解禁。経験談から見るメリットと注意点」

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これからの時代を、自分が生きたいように生き抜くためのコラム「TUNE-UP」。人生経験のシェアリングサービス「another life.」が提供する様々な人生のパーツを組み立て、自分らしいキャリアや働き方を考えるキッカケを提供します。

 

第8回のテーマは、「話題の副業解禁。経験談から見るメリットと注意点」。

 

厚生労働省が2017年度中に副業・兼業を認めるというニュースが話題を呼んでいます。終身雇用が当たり前ではなくなった現代。転職を繰り返したり、複業をしたり、フリーランスになったりと、個人のライフスタイルに合わせて働き方を選択できるようになりました。

 

中でも副業は、今の会社に席を置きながら新しいキャリアに挑戦できるという意味で、多くの人にとって身近な選択肢になるかもしれません。

 

・複数の企業に勤めることでリスクヘッジしたい
・今の給料には満足できないので、副業で月収を増やしたい
・転職や独立を視野にいれたスキルアップをしたい、人脈が欲しい

 

などのメリットから、副業に惹かれている人もいるのではないでしょうか。
いいこと尽くしに見える副業解禁ですが、実際に副業を経験した方々はどんな魅力やデメリットを感じたのでしょうか?another life. の人生インタビューを参考に考えていきます。

 

「副業してみようかな」が現実になる瞬間

「やってみたいな」と思っていても、長年実現されない願望もありますよね。ましてや副業は自分だけの問題ではなく、本業の会社に許可を取ったり、副業の雇用先を探したりと、プラスアルファのアクションが生まれるものです。経験者の方が実際に副業を始めることになったきっかけを見ていきましょう。

 

「知人の紹介から掴んだ最後のチャンス」
坪井 安奈さん(出版社→スマホアプリ・ゲーム業界誌の編集長とOLタレントの兼業)

 

幼い頃から芸能界に憧れつつも、「そういうのは限られた人がなるもの」という言葉に影響されて会社員になった坪井さん。倍率100倍以上の入社試験をくぐり抜けて新卒で出版社に進むも、芸能界への夢を諦めず、編集者とタレントの副業を決めました。

 

知人から、会社のPR担当を探しているという話を聞き、転職を考えている知人と一緒に話を聞きにいきました。

 

そして、話が盛り上がり、ちょうどそれまで考えていた、芸能活動と書く仕事の両方をしたいということを話してみることにしたんです。実際に25歳で他の仕事を一切せずに芸能活動一本にするのは現実的でなく、生きていく術として何かの職は必要だという感覚がありました。加えて、そもそも芸能界を目指すということを人前で言うことにためらいもあったのですが、それを無邪気に言える最後の年齢なのかもしれないという思いもあったんです。

 

すると、その話を面白いと感じていただき、グラニで働きながら芸能活動をする働き方を提案していただいたんです。
(another life.記事より)

 

坪井さんのケースでは、副業を実現してくれる知人との出会いがきっかけになりました。副業を考えている人は、その想いを積極的に周りの人たちに伝えていくことによって、雇用先が見つかったり、縁が繋がることがあるかもしれません。

 

「“20代で手に職をつけ、30代でやりたいことをやる”という目標」
岩野 麻子さん(本業:社会保険労務士/副業:ヨガインストラクター)

 

岩野さんが副業を意識する一番始めのきっかけになったのは、高校生のとき。進路選択の時点で、手に職をつけてからチャレンジをする人生設計をしたとか。予定通り、社会保険労務士とヨガインストラクターというパラレルキャリアを実現します。

 

好きなことを突き詰めるのも良いけれど、仕事は社会に貢献する手段だから、美術や表現をすることよりも、もっと向いている手段の方がいいと気づいたんです。そこで、まずは手に職をつけてからやりたいことをやろうと決めました。「20代で手に職をつけ、30代でやりたいことをやる」という目標を掲げたんです。

 

知り合いが行政書士としてすでに独立しているという話を聞き、一緒に立ち上げようと声をかけてもらったため、自ら事務所を構えることに決めたんです。25歳のことでした。

 

28歳からヨガのインストラクターを始めました。元々、前職時代にダンスを習っていて、美容にも関心があったためヨガを選んだんです。手に職をつけた後の、「やりたいこと」の一歩目でしたね。
(another life.記事より)

 

手に職がある安心感が背中を押してくれるからこそ、チャレンジができるというケースもあります。好きなことで副業をしたいけど始めの一歩がなかなか踏み出せないという人は、まずはリスクヘッジのためのライスワークを確保してみると、挑戦できる余裕が生まれるかもしれません。

 

経験談から考えるメリットと注意点

実際にパラレルキャリアを踏み出したおふたり。本業と副業にはどのような影響が生まれたのでしょうか?

 

「片方での学びはもう片方に生きる」
坪井 安奈さん(スマホアプリ・ゲーム業界誌の編集長/OLタレント)

 

「1つに絞ってがむしゃらにやれば?」と言われることもあります。しかし、2つに取り組んでいるからがむしゃらでない訳ではないんです。メディアの表裏両方の仕事をしているからこそ、片方での学びはもう片方に生きている感覚がありますし、2つに本気で取り組むからこそ得られるものがあると思うんです。

 

だから、どんな意見をいただいても、今は気持ちを強く持って自分の道を歩もうと考えています。正直、「もし辞めなければどうなっていただろう?」と考えることもあります。ただ、自分が選んだことを良かったと思えるように生きるしかないと思うんです。

(another life.記事より)

 

複業によるシナジー効果が生まれている坪井さん。複業をしていなかったらアクセスできなかったノウハウや技術に触れることによって個人のスキルを高められるのは複業の大きなメリットです。

 

「楽しくてやっていたはずのヨガのインストラクターがストレスに」
岩野 麻子さん(社会保険労務士・ヨガインストラクター)

 

社会保険労務士事務所としては、紹介等を通じて、多岐に渡る業界からクライアントが増えていきました。しかし、そうやって多くの機会をいただいたことで、気づけばいつの間にか業務過多になってしまったんですよね。次第に、楽しくてやっていたはずのヨガのインストラクターも、忙しさに追われ、ストレスに感じるようにすらなってしまいました。

 

そこで、ヨガの仕事は思い切って減らし、仕事を整理し、自分の働き方を見つめ直すことにしたんです。パラレルワークだからといって、両方80点では絶対にだめで、逆に両方を120点にできるような働き方をしなければと考えるようになりました。”

 

“パラレルワークを成り立たせ、両方でお客さんに120%の満足を提供するためには、自分1人では難しいため、周りの方にサポートしてもらえる環境が必要だと痛感しました。

(another life.記事より)

 

副業解禁で懸念されているのが、このような長時間労働問題。労働時間が増えすぎて身体や心に悪影響が出ると本末転倒です。岩野さんのように副業の時間を思い切って減らすなど、限られた時間をいかに使うかの判断が重要になります。

 

セルフコントロールとコミュニケーション

さまざまなメリットをもたらしてくれる副業。そのメリットでキャリアを更に豊かにするためには、セルフコントロールとコミュニケーションが欠かせません。

 

まずは自分の労働時間の管理。収入を増やすことが目的で副業を希望するひとは労働時間が増えすぎる可能性がありますが、時給換算してみると本業で残業するのと変わらないなんてこともあります。自分の目的に沿って、ベストなキャリアを選択しましょう。

 

もうひとつは周囲とのコミュニケーション。複業するということはステークホルダーが増え、意思伝達をする相手が増えるということ。1つの会社で同じメンバーと働きながら仕事が増えるのとは動き方が違います。本業、副業、両方で最高のパフォーマンスを出すために、自分のキャリアに対する向き合い方をしっかりと周囲と共有しましょう。

 

関連記事
坪井 安奈さん
https://an-life.jp/article/647
岩野 麻子さん
https://an-life.jp/article/387

 

執筆者:another life.編集部

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