業績回復のマクドナルド 復活の鍵は「顧客の声の活用」

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マクドナルド、売上高・利益が大幅増加で復活 連結経常利益は3倍超

2017年11月8日、日本マクドナルドホールディングス株式会社(以下、マクドナルド)は、平成29年第3四半期決算を発表しました。発表によると平成29 年12 月期の第3四半期累計期間(平成29 年1月1日~平成29 年9月30 日)は、全店売上高が対前年同期比405億円(+12.6%)増加の3,614億円、連結売上高が対前年同期比218億円(+13.2%)増加の1,871億円、連結経常利益が対前年同期比123億円(+357.4%)増加の157億円と、売上高・利益ともに大幅に伸びています。また、下の表の連結売上高・利益推移をみると今回の業績の伸長でマクドナルドがいかに復活しているかがよく分かります。

 

 

 

そして実際にマクドナルドの株価推移を見てみると、3,000円前後で低迷していた株価が今年に入って急上昇し、5,000円近くに上っていることが分かります。

 

食品偽装問題から長く低迷が続いていたマクドナルドが復活できた背景には何があるのでしょうか。

 

マクドナルドの概要

復調の要因に迫る前に、マクドナルドの基本情報と、低迷の経緯を説明します。

 

マクドナルドの基本情報

会社名:日本マクドナルドホールディングス株式会社

代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO):サラ L.カサノバ

設立:1971年05月01日

資本金:241億1,387万円

事業内容:ハンバーガー・レストラン・チェーンを中心とした飲食店の経営及びそれに関連する事業を営む会社の株式を所有することによるグループ連結経営の立案と実行

上場取引所:東京証券取引所 JASDAQスタンダード(2702)

従業員:2,239名(2016年12月31日現在)

 

出所:日本マクドナルド株式会社「会社概要」

http://www.mcdonalds.co.jp/company/outline/gaiyo.html

 

マクドナルド、業績低迷の背景 実は消費期限切れ鶏肉問題の前から低迷

マクドナルドの業績低迷の原因は、消費期限切れ鶏肉使用問題と思われがちですが、実はその問題の発生以前、原田前社長時代から業績が悪化していました。原田氏がCEOに就任した2004年以降、2011年までは8年連続で既存店売上高を伸ばしていましたが、2012年以降は一転して業績が悪化していました。2012年、2013年と2年連続の減収減益になり、2013年8月に現職のサラ・カサノバ氏がCEOに就任しました。
マクドナルドの業績が低迷するさなか、そこに追い打ちをかけたのが、2014年7月に発生した消費期限切れ鶏肉使用問題でした。これは、チキンナゲットに用いられる中国産鶏肉に賞味期限切れの疑いがあるという問題です。さらに、2015年には異物混入のトラブルが発生しました。これらの問題により、消費者のマクドナルド離れが加速しました。

 

マクドナルド復活の鍵は「顧客の声の活用」

業績悪化を受けて、マクドナルドは様々な施策を打ち出しました。マクドナルドの復活の鍵は、「顧客の声」を非常に上手く活用したところにあると考えます。

 

マクドナルド復活の理由① 顧客の声を聞いて店舗や情報発信の「改善」に活かす

マクドナルドの主要顧客層であるファミリー層、食の安全をアピールするには母親に訴求することが大事です。
カサノバ社長はママズ・アイ・プロジェクトを始動し、社長自ら全国の母親クルーや母親顧客と座談会を行い、母親目線の意見を聞きました。座談会を行うだけではなく、母親を招いて店舗の抜き打ち調査や工場見学を行い、マクドナルドの食の安全性へのこだわりを訴求しました。見学の様子は写真や動画に収められ、母親のコメントとともに全部で10のレポートとしてマクドナルドの公式サイトに載っています。母親らの声は実際に店舗改善に活かされ、キッチンの洗い場を広くしたりしました。食の安全性に最も敏感であろう母親を安心、納得させることで、マクドナルドに対する不信感を効果的に取り除くことができたと言えるでしょう。

 

参考:日本マクドナルド株式会社「ママズ・アイ・プロジェクト ママがお店に抜き打ち検査に行ってきました。」

http://www.mcdonalds.co.jp/safety/momseye/project/report/report_01.html

 

また、マクドナルドは「KODO」という顧客のアンケートアプリを導入し、来店した顧客から広く声を集めました。このアプリを通して600万件もの声が集まったといいます。

 

マクドナルド復活の理由② 「顧客に」プロモーションしてもらう

マクドナルドは顧客の声に真摯に耳を傾けるだけではなく、顧客を発信源としたプロモーション施策を取りました。TwitterをはじめとするSNSで発信してもらうことを前提に、写真映えするような見た目の商品を出したり、参加型のキャンペーンを打ち出したりしました。

 

例えば、マクドナルドはこのようなキャンペーンを行いました。

 

・既存メニューの刷新

月見バーガーやチキンタツタなど、ファンの多い既存メニューを刷新しました。また、日本人好みに開発した単価が高めの大型バーガー「グラン」シリーズを打ち出し、好調でした。

 

・顧客参加型のキャンペーン

8月には東西で異なるマクドナルドの愛称「マック」と「マクド」を競うイベントが話題を呼び、対決をあおることで盛り上げました。また、新商品のバーガーの味を星をつけて評価し、Twitterに投稿するキャンペーンも行いました。

 

・突っ込みどころのある話題

エッグチーズバーガーに「エグチ」というニックネームを付け、全国の「江口」さんに無料でエッグチーズバーガーを提供しました。冬の定番商品である「ベーコンポテトパイ」は、熱々の同商品をほおばった時をイメージした「ヘーホンホヘホハイ」という名称にしました。このような、“受け”を狙ったキャンペーンを展開することで顧客に話題を提供しました。

 

・他社商品とのコラボ

アサヒ飲料のカルピスとコラボしたシェイクや、森永のミルクキャラメルとコラボしたマックフルーリーなどを発売し、他社商品の知名度を利用したプロモーションを行いました。

 

マクドナルドはこれらのような、思わずSNSで友人に共有したくなるようなキャンペーンを次々と打ち出し、顧客を飽きさせず、顧客を継続的に店舗へ呼び込むきっかけを作りました。

 

マクドナルド、今後の動向 「新規出店」や「キャッシュレス導入」などの施策を打ち出す

マクドナルドの2017年12月期通期の純利益見通しは過去最高の200億円と発表されており、今後も順調に業績が推移する模様です。これまでは既存店の改装に注力し新規出店を抑えていましたが、来期は新規出店を拡大し10年ぶりに全体の店舗数が増える見通しで、マクドナルドの攻めの姿勢が伺えます。

 

施策としては、電子マネーやクレジットカードといったキャッシュレスの決済方法を導入し店舗での利便性を高めるほか、配送サービスのウーバーイーツを導入して新たな購入シーンを開拓しようとしています。

 

今後もマクドナルドの打ち出す施策とそれに伴う業績推移が楽しみですね。

 

 

執筆者:株式会社エスネットワークス 山城晴香

編集者:株式会社mannaka

協賛 :株式会社エスネットワークス
 

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ベンチャー企業やローカル企業にCFOコンサルティングを行っています。

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