日経平均株価上昇はアベノミクスが理由? 政権続投で投資家が日本株に期待か

日経平均株価上昇はアベノミクスが理由? 政権続投で投資家が日本株に期待か

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日経平均株価上昇の理由はアベノミクス継続?

2017年10月23日、東京株式市場で日経平均株価の15日連続上昇を記録しました。日経平均株価の上昇は安倍政権の衆議院選挙圧勝により日本株の人気が高まったためであると各種機関は報道しています。

 

なぜ安倍政権継続が日経平均株価の上昇を招くのでしょうか?今回は政治の話も絡めて解説していきたいと思います。

 

なお、株価については以下の過去の記事も参考にしてください。

今さら聞けない?株価ってどうやって決まるの?

日経平均株価とは?相関のある経済指標とは?

 

日経平均株価の動向

(出所)Yahoo!ファイナンスのデータより筆者作成 https://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/history/?code=998407.O

 

上のデータは、2017年10月の日経平均株価終値の推移をグラフにしたものです。20,400円だった10月2日の終値が、一度も下落することなく上昇し続け、10月24日には21,805円にまで到達しています。

 

以前掲載した「今さら聞けない?株価ってどうやって決まるの?では株価変動の要因として1.企業動向2.政治動向のどちらかが大きく関わると述べました。それでは今回の安倍政権続投の背景にある要因とは何でしょうか?

 

株価上昇の要因 その1「金融緩和政策」

アベノミクスには「金融政策」「財政政策」「成長戦略」が掲げられていました。

 

結論から申し上げると、金融緩和政策が円安をもたらし、それが株高につながったのです。

 

なぜ通貨供給量の増加で円安になるのか

「金融緩和政策」として、日銀総裁である黒田東彦氏主導のもと円の増刷を推進しました。これはデフレ脱却を目的としていました。

 

市場に出回る円(通貨供給量)が急増すると、円の価値は下落しますよね。それに加えて円の価値の希薄化を恐れた投資家は円売りを決行します。すると円の需要がさらに下がり、結果的に円の価値は下がります。つまり円の価値が下がるということは、円が安くなるということです。

こうして円安は誘発されます。

 

実際、2009年10月の時点で1ドル=90.32円まで進んでいた円高が2017年10月には1ドル=112.93円にまで円安に進みました。(レートは月間平均※1)

 

なぜ円安で株高になるのか

なぜ円安が株高につながるのでしょう?

 

「円安になると日本の輸出産業が有利になり、企業業績が向上するので結果的に株価も上昇する」という説がありますが、これはむしろ副次的効果にすぎません。

 

海外投資家の立場から考えてみると理由が見えてきます。円安になるということは、海外の人にとって日本円で取引されるありとあらゆるものが割安に見えるということです。

 

例えば1ドル=80円の時、1万円の株は米ドルで125ドルになります。もし円安が進み1ドル=100円になれば、同じ1万円の株は100ドルで買えるようになります。

この場合、海外投資家は円安が進むだけで自動的に日本株を2割引の価格で買えるようになるのです。

 

円安により割安になった日本株は、海外投資家が買い始めます。海外投資家の人気が集まることで、日本株に買い注文が増え、価格が上昇するわけです。

 

株価上昇の要因 その2「企業業績拡大」

前章でアベノミクスの「金融政策」が円安を誘発し、円安が海外投資家の日本株買いを促進すると述べました。

 

そもそもアベノミクスは、「金融政策」「財政政策」「成長戦略」でデフレ脱却を実現し、日本経済を回復させる狙いで掲げられました。

 

今回の安倍政権続投により、アベノミクス継続が企業業績を改善させると予想されています。実際、2017年10月26日までで、上場企業のうち約160社が2018年3月期の営業利益予想を上方修正(予想数値を上積みすること)しています※2。例えば、大手メーカーであるファナックは2018年3月期の営業利益予想を前回よりも23%高く上方修正し発表しました※3。

 

これらの企業業績拡大の予想が示すように、アベノミクスの継続は企業業績改善の追い風となると考えられています。日本経済の好景気を感じた海外投資家は、日本株への買い注文を増加させ、日経平均株価が上昇したと報じられています。

 

あらゆる要因が絡み合い日経平均株価を決める

今回は10月22日の衆議院選が日経平均株価に与える影響にフォーカスを当てました。安倍政権続投というニュースには、大まかに見ても「金融緩和政策」「円安」「企業業績」などの意味が見え隠れしていました。

 

「1匹の蝶がはばたけば地球の裏側で竜巻が起こる」、つまり1つの出来事でもそれが波及し大きな変化をもたらすことをバタフライエフェクトと言いますが、それは株式市場にも当てはまります。海外投資家は「安倍政権続投」という1つの出来事から円安、企業業績拡大、株価上昇を読み解き日本株買いに乗り出したのです。

 

これから株価の先行きを読むためには、一つ一つの社会の動きを多面的に分析する洞察力が必要になってきます。皆さんも株価と関連付けて、新聞に目を通されてはいかがでしょうか。きっと視野が広がり、洞察力が更に磨かれるでしょう。

 

 

※1 為替ドル円相場 月間平均の推移 https://lets-gold.net/price-monthly-ave.php?c=usdjpy

※2 日本経済新聞「上場企業160社が上方修正」 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22750460W7A021C1MM8000/

※3 ファナック株式会社「業績予想の修正に関するお知らせ」 http://www.fanuc.co.jp/ja/ir/announce/pdf/notice20171025.pdf

 

 

執筆者:パイルズガレージ編集部

編集者:株式会社mannaka

協賛 :株式会社エスネットワークス
 

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ベンチャー企業やローカル企業にCFOコンサルティングを行っています。
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