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会社設立に関する行為における発起人の権限について~法人税法との関係にも着目して~

会社設立に関する行為における発起人の権限について~法人税法との関係にも着目して~

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会社設立における発起人の権限について

会社は定款の作成から始まり、徐々に手続等を進めて、法人登記をもって会社が成立するのは、皆さんご存知の通りです。それでは、会社成立前に発起人の行為について、成立後の会社はどのような範囲まで責任をおうのでしょうか。
 

会社設立に関する行為を3つに分類

会社設立に直接関係する行為
例えば、定款の作成、払い込みに関する行為、設立登記等
開業準備行為
会社が成立後にすぐ事業を開始できるようにする、土地タ・設備等を取得したり、従業員を雇い入れたり、商品の仕入れル-トや販売ル-トを確立すること等
営業行為
営業自体にかかわる行為
 
発起人の行為に関しては、①、②、③とその範囲(権限)が広がることになります。
会社法上の考え方として、資本充実という考え方があり、この考え方は、財産的基礎が充実した会社を債権者保護のために作るという狙いがあります。しかし、考えてみてください、経済取引には迅速性が重視されます。そこで、資本充実と取引の迅速性ということが対立する場面が生ずる場合も多いのです。
 
会社法上の解決方法としては、発起人が行った行為のすべてについて、(設立中の会社という法人格なき社団という概念を用いて説明する場合もあります)成立後の会社による追認する権限を認めるという考え方もありますし、開業準備行為まで追認できるという考え方もあります。現場としては、適切かつ迅速な開業を行うためには、すべての行為を含めて、追認可能としても問題はないという考え方をとってもいいと考えます。問題行為は追認せず、発起人に責任を負わせればいいのですから。
 
そして、法人税法上の設立に関する行為については、どのように取り扱われるのでしょうか。
会社設立に関する行為については、その支出は設立年度の支出として原則として取り扱ってよいとされています。
ただし、設立登記までに相当な期間を超えている場合はこの扱いは認められないという通達規定があります。相当の期間というのは、解釈によるということと、通達規定にすぎないので、必ずしも当該規定に拘束される必要はないですが、実務上の目安にはなります。
そこで、実務の便宜から考えると、一年以内であり、実際に設立にかかった期間の行為であれば、設立登記を漫然と放置していたという事情がない限り、設立初年度の費用と考えて差し支えないと私は考えています。というのも会社の規模によれば一年くらいかかる場合もありますから。
 
 
編集:PILES GARAGE 編集部
 
整備士プロフィール

安村 雅己
株式会社mannaka/監査役
安村税理士オフィス/代表
会計税務等関与して35年。中堅企業や医療関係、非営利法人等多様な実務経験あり。
起業を起点として、会社の為、経営の安定成長を目指しています。
夢の共有がすべてだ。税務、会計のみならず法務、財務といった幅広い知見をフル活用。
一橋大学大学院博士前期課程修了の税理士、法学修士として、広範な問題に対応。
研究者、講師や監事、監査役も。戦う税理士としてクライアントの為に全力投球。
 
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