日立を最高益に導く、半導体製造装置など3つの「主力事業」と「事業売却」

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 日立の最高益に貢献する「主力事業」と「事業売却」

日立といえばみなさんはどんなイメージがあるでしょうか?
家電製品や最近多くの女性に愛用される美顔機「ハダクリエ」が有名ですね。実はそのような製品を生産する会社である日立アプライアンス株式会社は、日立製作所(日立グループ)の1つの関連会社です。
2017年10月27日の日本経済新聞に「日立の今期営業益が12%増で過去最高を達成。半導体装置など主力が好調な上に事業売却で採算性が向上した。 」という内容の記事が掲載されました(1)。
今回、日立製作所はどんな企業なのか、そして最近の同社の事業売却状況を解説します。

 

日立製作所の概要

株式会社日立製作所(以下、日立)は1910年に設立され、創業時は国産初の5馬力誘導電動機の生産から始まり、現在は情報通信システム、社会産業システム、電子装置システム、建設機械、高機能材料、オートモティブシステム、生活エコシステムとその他の8つの部門から構成される国内最大電気機器メーカーです。

 

日立製作所の業績

日立の2016年期の決算では売上収益が91,622億円、親会社株主に帰属する当期利益は2,312億円です(国際財務報告基準 IFRS)。(2)

 

出所:株式会社日立製作所「業績・財務情報 セグメント別データ」

http://www.hitachi.co.jp/IR/financial/segment/index.html

 

記事では半導体装置建設機械情報通信などの主力事業が好調なため今期の日立の営業利益が過去最高になると紹介されました。次はその3つの主力事業の概要と事業再編の状況を見てみましょう。

 

日立の電子装置・システム部門、日立国際電気の売却延期と半導体製造装置の活況で増益

日立の電子装置・システム部門は半導体製造装置、電子部品加工装置や放送・映像、無線通信システム、人々の健康な生活をサポートする医療・検査システムなどを日立国際電気など日立グループの企業が提供しています。
2016年度の電子装置・システム部門の売上収益 は 11,703億円であり、前期比104%となりました。日立国際電気の米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(以下、KKR)への株式譲渡(売却)の予定時期が変更になった(3)ことと、半導体製造装置の販売が好調になったことは電子装置・システム部門の営業利益増加の要因になるでしょう。

 

また、2017年1月13日、日立工機の全保有株式をKKRに売却することを正式に発表しました(4)。企業売却により、日立グループはインフラやITなど中核事業に集中する戦略を立てると見られます。

 

日立の情報・通信システム部門、海外向けATM販売が減少で減益

日立の情報・通信システム部門はコンサルティングからシステム構築、運用・保守・サポートまでのシステムライフサイクル全体を通じて、ITサービスを提供する部門です。日立が金融をはじめとした幅広い事業分野で得たノウハウと先進のITを融合し、サービスを提供することが特徴です。情報・通信システム部門の2016年度の売上収益は19,828億円であり、前期比94%となりました。海外向けATMの販売が減少したことなどが売上収益減少の原因になります。

 

日立の建設機械部門、旺盛な建機需要で海外売上が約7割に

日立の建設機械部門は土木・建築・ビルなどの解体、鉄山採堀などのニーズに応じて建設機械の販売、サービスメンテナンスを提供する部門です。建設機械部門はグローバルに事業を展開することで、海外売上高率は69%に達成しています。2016年度の売上収益は7,539億円であり、前期比99%となりました。中国を中心に海外での建設機械などの販売を伸ばしたことが理由で収益維持することができています。

 

日立にはなぜ事業再編が必要なのか

以上、日立の3つの主力事業の内容を見ました。
企業はできるだけ利益率の高い事業や製品に投資し、できるだけ多くの利益を獲得しようと行動します。しかし、急激な技術進歩、生産方法の改良、新製品の開発や消費者ニーズの多様化などによって、既存の事業や製品の利益率が急激に悪化することがあります。
したがって、企業の経営資源には限りがあるので経営者は新製品の事業化ばかりでなく、既存事業や製品の廃止を意思決定しなければいけません。日立の場合は非中核事業を売却し、成長性、採算性が高い事業を中心に事業ポートフォリオの最適化を継続的に図っていると見られるでしょう。

 

 

参考

(1)日本経済新聞「日立、今期の営業益最高、事業再編で収益力向上」

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22748990W7A021C1DTA000/

(2)株式会社日立製作所「第148期報告書」

http://www.hitachi.co.jp/IR/library/report/170522a.pdf

(3) 東洋経済オンライン「日立が『好調子会社』を売却できなかった理由」

http://toyokeizai.net/articles/-/184802

(4)日本経済新聞「日立、日立工機の株式売却を発表 米ファンドに」

https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ13HIN_T10C17A1000000/

 

 

 

執筆者:パイルズガレージ編集部

編集者:株式会社mannaka

協賛 :株式会社エスネットワークス
 

財務・会計系コンサルティング会社。
ベンチャー企業やローカル企業にCFOコンサルティングを行っています。
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