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棚卸資産の評価損計上について~具体的な話を使って~

棚卸資産の評価損計上について~具体的な話を使って~

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棚卸資産の評価損と廃棄損について

今回からは、数回に分けて、資産の除却損・廃棄損及び評価損についてみていきます。
税務上は、棚卸資産の評価損については、一定の場合に限り認められます。
 
具体的3つ
①棚卸資産が災害により著しく損傷したこと
②棚卸資産が著しく陳腐化したこと
③組織再編により評価替えが強制された場合(今回は触れません)及びこれらに準ずる事実の4つが例外的に認められること。
 
というのも、評価損の計上には恣意性が介入し、課税の公平性を害するおそれがあるからです。
 

評価損を計上する場合留意する点について

評価損の金額が合理的なものになっているかどうかということと、それを立証する証拠はあるかどうか、ということです。
 

実際に会社から確認があった場合の想定例を使って

決算対策の一つである棚卸資産の評価損計上についてみていきましょう。
 
市場の変化により、今まで売れていた、テレビがその方式が変わり売れなくなることが予想される場合のこと。(その会社の決算は六月とする)
 

会計チェックに会社にうかがっているときのこと

経理部長さんから質問がありました。
 
部長
「うちのテレビの一会計チェックをしている部はアナログなため、棚卸資産の評価損を計上したいと社長から言われました。どのように考えればいいのでしょうか。」
安村
「確かにアナログテレビは今までの価格では売れなくなるでしょうから、評価損の計上は認められると思いますよ。」
部長
「その場合にどれくらいの評価損が妥当でしょうか。」
安村
「それは会計上や税務上の話ではなく、市場の動向をみて経営者の方が合理的な判断をし、判断の過程を証拠として残しておくことが重要になります。他社の六月末の同種のテレビの販売価格をみてそれを前提に、今までこのような新製品に代わる次期の経験を勘案して価格を見積もり、会計上の価格の引き下げをすればよいとは思います。」
部長
「わかりました、他社の価格調査をまずしてみます。」
安村
と言い残して、会計チェックの場を去って行きました。
 
しばらくして、部長さんがもどってこられました。
安村
「価格が合理的な場合でも、税務調査があった場合に簡単に調査官がそれを認めるわけではないので、金額の重要性が高ければ、当然取締役会の議事録等を残しておいてください。決して部長さんだけで棚卸資産の価格を決定し、評価損を計上した資料作成をしないでくださいね。法人税法上評価損の計上は例外的に認められるだけですので、こちらで評価損計上の協力な証拠を作成しないと税務上否認されてしまうのです。」
 
いつも資料作成を自分でやってしまう方の部長さんは納得して、
部長
「今日はありがとうございました。」
と言い、部屋を後にしました。
 
Cf.今回は評価損の計上だけで次回、廃棄損の方に触れることにします。
 
 
編集:PILES GARAGE 編集部
 
 
整備士プロフィール

安村 雅己
株式会社mannaka/監査役
安村税理士オフィス/代表
会計税務等関与して35年。中堅企業や医療関係、非営利法人等多様な実務経験あり。
起業を起点として、会社の為、経営の安定成長を目指しています。
夢の共有がすべてだ。税務、会計のみならず法務、財務といった幅広い知見をフル活用。
一橋大学大学院博士前期課程修了の税理士、法学修士として、広範な問題に対応。
研究者、講師や監事、監査役も。戦う税理士としてクライアントの為に全力投球。
 
安村整備士のブログはこちら
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