内部統制について~売上に関する業務を具体例として~
内部統制について
内部統制は、以前に何度か簡単にとりあげましが、その中で本質は業務分担と業務手続きの文書化にある、と説明しました。今回は具体的に売上に関して、業務のサイクルにあわせてみていきたいと思います。
売上業務のプロセスについて
① 受注
信用調査,適切な限度額、回収条件の設定、受注に関する別部門のモニタリング、責任者による承認等
② 出荷
出荷指図書と注文書の照合、棚卸手続の設定、モニタリング、請求書管理等
③ 売上計上
受注・出荷部門と売上計上部門の分離、営業担当者に任せきりにしない、返品率などのチェックによるモニタリング等
④ 請求
請求書発行者以外による注文書などとの照合、売上計上記録と物品受領書等との照合等
⑤ 回収
総勘定元帳と補助元帳との照合、返品値引きの承認・チェック体制の構築等
以上がおおまかではありますが、販売手続における業務分担を前提にした業務管理の具体的内容になります。
中小企業では、コストの面から不正防止や業務の効率性向上によいこととは分かっていても業務分担できない場合があります。このような場合は、ジョブローテーションや担当者がいない時の抜き打ちチェックや取締役などによる定期的チェック、標準化した文書規定を設けること及びコンプライアンスの重要性を普段のミ-ティング等で教え込むことなどにより対処するのが良いでしょう。
要は、企業が安定的に成長していくために、コンプライアンスやリスク管理といった観点から内部統制を行っていくことで、違法行為を予防し、不効率な業務をなくしていくことの重要性を経営者の方が身を以て示していくことが不可欠だと思います。
編集:PILES GARAGE 編集部
整備士プロフィール
安村 雅己
株式会社mannaka/監査役
安村税理士オフィス/代表
会計税務等関与して35年。中堅企業や医療関係、非営利法人等多様な実務経験あり。
起業を起点として、会社の為、経営の安定成長を目指しています。
夢の共有がすべてだ。税務、会計のみならず法務、財務といった幅広い知見をフル活用。
一橋大学大学院博士前期課程修了の税理士、法学修士として、広範な問題に対応。
研究者、講師や監事、監査役も。戦う税理士としてクライアントの為に全力投球。
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