ビットコインとは? 仮想通貨交換業とは? 日本政府の仮想通貨交換業への対応

Pocket

日本でも使われるようになってきた仮想通貨

近年、盛んである仮想通貨が日本でも使われるようになっており、日本政府は仮想通貨に対して慎重な動きを検討しています。
以前のPiles Garageでの記事「インバウンドで急増 訪日中国人御用達のビットコイン決済とは?」にビットコイン決済の仕組みが紹介されました。前回の記事ではビットコインの決済が拡大している背景や、仕組み、そのメリットなどについて説明されていました。
今回の記事では、ビットコインという仮想通貨そのものや仮想通貨交換業について説明し、今までの日本政府の対応を説明したいと思います。

 

ビットコインとは

ビットコインの由来

元々、仮想通貨の基本概念は1990年代初頭にサイプーンパンクという人たちによって生み出されたものの、普及しませんでした。2008年の金融危機の直後、ナカモトサトシという人物が1900年代の多様な仮想通貨のアイデアを組み合わせて暗号化に基づくプロトコルを作りました。このプロトコルに基づくブロックチェーンという分散型ネットワークを使い、「信頼」に依存しない電子取引システムを作り出しました。

 

ビットコインの性質

従来の送金や取引は銀行などの信頼できる第三者を介して行われていました。しかし、ビットコインの場合は第三者の存在を必要とせず、利用者間で無料で直接取引できます(P2P取引)。また、取引のデータは暗号化され、公共ネットワークに表示されます。

 

具体的には、ビットコインのネットワークの各ノード(ビットコインネットワークに接続するコンピューター)に取引が表示されます。各ノードがブロックに取引情報を集め、ブロックのプルーフ・オブ・ワーク(proof-of-work)を探します。その後、各ノードはブロックをすべてのノードに公開します(イメージ1)。

 

つまり、すべてのノードの間で取引が確実に行われているかどうかを確認できるので、「二重支出」や詐欺取引を防げます。このように、ビットコインのネットワークは透明性が高く利用者は自分のお金を以前にも増して自由にコントロールできるようになります。

 

【イメージ1:ナカモトサトシ、2008】

 

ビットコインのデメリット・注意点

一方、ビットコインを利用する際に注意しなければならない点が2つあります。1つ目はビットコインを使って取引や場合によってはショッピングもできますが、法定通貨ではないということです。2つ目はビットコインの価値は急速に高まっているといわれていますが、実際のところビットコインの価格は利用者の需給などで変化するので、ビットコインの価値も変動する可能性があるということです

 

ビットコインの入手方法

「銀行の存在が必要ない」「発行者がいない」ビットコインはどのように手に入れられるのでしょうか。

 

従来のビットコイン入手方法

従来、1つのブロックの最初の取引が1つのビットコインを生み出していました。
この新しいビットコインはそのブロックを作ったノードのもので、ネットワークをサポートしたり、守ったことによって得られる報酬です。
また、新しいビットコインの金額は消費されたCPUの稼働時間と電気代の対価にあたります。このコンセプトは金鉱採掘に類似するのでビットコインマイニング(採掘)と呼ばれています。ネットワークを管理したり守ったりするビットコインマイニングを行えばビットコインがもらえるのです。

 

現在のビットコイン入手方法

ナカモトサトシは、採掘できるビットコイン数を全部で2100万コインに設定しました。
ビットコインは発行者のいない通貨なので、採掘すれば採掘するほど、コインが少なくなります。採掘できるビットコインは減少し、必要な電気量も多くなるため、現在自宅でビットコインマイニングをすれば、損をしてしまいます。
そのため、現在ではビットコインを法定通貨で入手する人が多くなってきました。マイニング以外のビットコインの入手方法には以下のものがあります。

 

  • ビットコイン交換所又はビットコイン販売所で購入する:ビットコイン交換所では証券取引場のように顧客が時価を観察し、自分が儲けるようにビットコインを売買できます。また、ビットコイン販売所には普通の銀行のようにビットコインを購入でき、ビットコインウォレット(Bitcoin Wallet)にコインを貯めることができます。

 

  • ビットコインATM:ビットコインATMでは現金を入れ、自分のビットコインウォレットのQRコードをスキャンする(またはATMから出たQRコードをスマートフォンでスキャンする)と、同等のビットコイン額がビットコインウォレットに貯まります。

 

  • ビットコインユーザーから直接購入する:地方のビットコインのユーザーの集まりで直接値段などを交渉でき、前述のATMのように現金で払い、QRコードをスキャンするとビットコインを購入できます。

 

  • サービスの対価としてビットコインを受け取る:ビットコインユーザーは自分が提供したサービスの報酬として、ビットコインを受け取ることができます。

 

  • ビットコインの投資信託:ビットコインに興味はあるが、購入したり貯めたりしたくない人にとっての選択肢の1つです。2014年までに、ビットコインの投資信託は一部の投資家だけが利用できましたが、2014年の第4四半期から一般人でも参加できるようになりました。

 

仮想通貨交換業とは

資金決済法によると、仮想通貨交換業は仮想通貨と法定通貨の交換や仮想通貨同士の交換をする事業のことです。なお、利用者は入手した仮想通貨を自己管理することもできますが、仮想通貨交換業者は利用者の代わりに金銭や仮想通貨を管理するサービスを提供しています。

 

日本政府のビットコイン・仮想通貨や仮想通貨交換業への対応

日本政府のビットコイン・仮想通貨交換業への対応

日本政府は仮想通貨に対して以下の対応を行ってきました。

 

  • 2017年4月:改正資金決済法の施行
  • 2017年7月:仮想通貨が消費税非課税に
  • 2017年9月:「仮想通貨は雑所得」と国税庁が公表

 

資金決済法の改正内容

特に、4月の改正資金決済法の内容を仮想通貨交換業者と利用者は知っておくべきです。金融庁(2017年4月)によって公表された改正資金決済法の内容は以下の4つです。

 

  1. 仮想通貨交換業者は金融庁・財務局に登録した株式会社であり、資本金が1000万円以上であることなどの登録用件を満たさなければなりません。
  2. 仮想通貨交換業者は利用者にリスク等を踏まえ、仮想通貨の取引を行えるように必要かつ適切な知識を提供する義務があります。
  3. 仮想通貨交換業者は自身の金銭・仮想通貨と利用者の金銭・仮想通貨を別に管理する義務があります。
  4. 利用者には口座開設時や200万円超の仮想通貨交換・現金取引時、10万円超の仮想通貨の送金時に公的な証明書の確認を受ける義務があります。

 

日本政府が資金決済法を改正した理由

日本政府が資金決済法を改正する対応を行った理由は二つあります。

 

一つ目はマネーロンダリングやテロの対策が必要なためです。

 

二つ目は利用者を保護するためです。2014年にマウントゴックス(MTGOX)という仮想通貨交換所が倒産し、巨額のビットコインが無くなりました。マウントゴックスはビットコインの「第三者が必要ない」という特徴を推奨していたものの、信頼性やセキュリティーに欠陥があり、ハッキングをうけて世界中の多くのマウントゴックスの顧客のビットコインが流出しました。このような事件が2度と起こらないように資金決済法が改正されました。

 

日本におけるビットコイン・仮想通貨市場の未来

今年4月からビックカメラがビットコイン決済を認め始めたように、日本にはビットコイン決済が対応できる場所が増えてきました。
また、日本人投資家がアルトコインという仮想通貨にも注目するなど、日本は最大の仮想通貨の取引市場になりました。そして日本では、既存の仮想通貨が使用されるだけでなく、SコインやJコインといった新たな仮想通貨も生まれています。
このような状況の中、日本の仮想通貨市場はこれからも繁栄し続けると考えられます。

 

参照リスト

  1. Banking on Bitcoin – documentary film https://youtu.be/GlvFg4NQYEQ
  2. Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System (Satoshi Nakamoto, 2008) https://bitcoin.org/bitcoin.pdf
  3. ″「仮想通貨」を利用する前に知ってほしいこと。平成29年4月から、「仮想通貨交換業(仮想通貨交換サービス)」に関する新しい制度が開始されました″ www.gov-online.go.jp/useful/article/201705/1.html#section1
  4. What is Bitcoin? – The Bitcoin Gospel|Bitcoin Documentary https://youtu.be/mVM67wASG_o
  5. インバウンドで急増訪日中国人御用達のビットコイン決済とは?(パイルズガレージ編集部 羅譲、2017) https://piles-garage.com/article/1420
  6. 金融庁「利用者向けリーフレット「平成29年4月から、『仮想通貨』に関する新しい制度が開始されます。」について」 http://www.fsa.go.jp/common/about/20170403.pdf
  7. 改正資金決済法施行-仮想通貨の法的規制-(2017年6月)kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-201706_04.pdf
  8. The Japanese are Using Bitcoin More than Expected (Kevin Helms, 2017) https://news.bitcoin.com/the-japanese-using-bitcoin-expected/
  9. New wave of Japanese investors are fueling the great altcoin bubble. https://medium.com/@coin_and_peace/new-wave-of-japanese-investors-are-fueling-the-great-altcoin-bubble-a504383172ff
  10. ビットコインの入手方法・交換方法(後藤あつし、2014年10月) http://btcnews.jp/bitcoin-document-016/
  11. How can I buy Bitcoins? (2015) https://www.coindesk.com/information/how-can-i-buy-bitcoins/

 

 

執筆者:パイルズガレージ編集部

編集者:株式会社mannaka

協賛 :株式会社エスネットワークス
 

財務・会計系コンサルティング会社。
ベンチャー企業やローカル企業にCFOコンサルティングを行っています。
「経営者の輩出」を企業理念とし会計や財務の実務支援能力だけでなく、 CFOとして求められる知識や経営センスをより短期間で身に付け、育成することを目指しています。
エスネットワークスは、「経営者の視点でニーズを掴み、経営者の視点で課題を解決し続ける、最強パートナー」を実現すべく、成長し続けています。
 

エスネットワークスのサイトはこちら
​株式会社エスネットワークス

mannakaのサイトはこちら
​株式会社mannaka

PILES GARAGEのサイトはこちら
​PILES GARAGE

Pocket

COLLABORATIONグロービス学び放題

「グロービス学び放題」は、グロービスが提供するビジネススキルの動画を1,980円~の月額定額制で視聴できる動画学習サービスです。グロービス経営大学院およびグロービス法人研修部門のビジネス人材育成ノウハウを結集し、幅広いビジネスナレッジを3~10分の短い動画で手軽に学ぶことができます。

RELATIVE関連記事

金融機関の融資を受ける場合に決算書で留意すべき事項

金融機関の融資を受ける場合に決算書で留意すべき事項

目次1 決算書において重要な事柄2 金融機関の融資を受ける場合に決算書で留意すべき事項 今回は、金融機関の融資...

記事を読む

リキャップCBはなぜ選ばれるのか? 過去の事例の紹介と検討

リキャップCBはなぜ選ばれるのか? 過去の事例の紹介と検討

目次1 はじめに2 リキャップCBとは?3 リキャップCBの過去の事例3.1 リキャップCBの過去の事例①「日...

記事を読む

国内第4位の金融グループ、りそなホールディングスとは?

国内第4位の金融グループ、りそなホールディングスとは?

目次1 はじめに2 りそなホールディングスの概要3 りそな銀行の歴史4 りそなホールディングスの財務情報4.1...

記事を読む

諏訪信用金庫と事業承継・M&AマーケットTRANBI、事業承継課題に向けたビジネスマッチング契約を締結

諏訪信用金庫と事業承継・M&AマーケットTRANBI、事業承継課題に向けたビジネスマッチング契約を締結

目次1 ビジネスマッチングの背景2 ビジネスマッチングの内容3 諏訪信用金庫について4 国内最大のM&...

記事を読む


COLLABORATION グロービス学び放題

ZOPAとBATNA

ENTERPRISE

MONTHLY RANKING