複業研究家 西村創一朗氏が考える、これからの「HRと副業」【前編】

複業研究家 西村創一朗氏が考える、これからの「HRと副業」【前編】

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「欲しがられる人材になりたい人が集まるプラットフォーム」である、『PILES GARAGE』。
企業を”個”の力で支える、「杭(PILES)」のような人材を育てる「場所(GARAGE)」として、「欲しがられる人材」とはどのような人材であるのか、様々な人のお話を聞くことで改めて考えてみようと立ち上げたこの対談企画。
 
今回は、株式会社HARES CEOの西村創一朗氏にお話を伺います。
西村氏はHRコンサルタントとしてリファラル採用や採用ブランディングなどを行うほか、複業研究家として様々な活動をされており、西村氏がCEOを務める株式会社HARESでは「二兎を追って二兎を得られる世の中を創る」という理念を掲げています。
このインタビューでは、HRコンサルタントとしての話、複業研究家としての話、その他にこれからの時代の働き方、複業(副業)のあり方についてたくさんの話をお聞きました。

 

以下

西村:株式会社HARES 代表取締役 西村 創一朗

柴田:株式会社mannaka 代表取締役 柴田 雄平

 

複業研究家・西村創一朗の1週間の働き方

柴田

今日はよろしくお願いします。僕らが出会った時は創一朗(西村)はリクルートを辞めるのはまだちゃんと決まってない頃だったかな? その時あたりから複業研究家というのが始まったと思うんだけど、今、創一朗がやっている事業について聞かせてもらえますか? 創一朗って、いろいろやっているイメージがあって、何やってるかよく分からないので(笑)

 

西村

そうですよね、よくわかんないですよね(笑)じゃあ、分かりやすく今の僕の働き方を、1週間の時間の使い方でお話しますね。
まず、週7日ありますが、土日は基本的に休みです。加えて、平日のどこか1日を休みにしています。なので、今、僕は週4日働いています。働いている4日間の使い方としては、ランサーズで週2日間働いていて、残りの2日間はいろいろやっていますが説明するのが難しいので、大きい括りでHARES(西村氏が代表の会社)ということにしておきます。その中に、BOOK LAB TOKYOや、一般社団法人フリーランス協会、ファザーリングジャパンなどの諸活動が含まれています。これが僕の時間の使い方の全体像ですね。

 

ランサーズでは、オープンタレント推進室という部署の室長のようなことをやっています。簡単に言うと働き方改革を社内外で進めていくというのが僕のミッションです。HARESでは、全体の売上の90%がBtoBで、残りはBtoCです。
BtoCでやっていることというのは、HARESカレッジという自社メディアです。
BtoBでやっていることは大きく3つありまして、1つは採用プロジェクト。2つめが働き方改革のコンサルティング。3つめがHR techです。事業開発からコンサルで入るケースもありますし、マーケティング、ブランディングから入るケースや、営業チームの組成などがあります。
自分の強みだと思っているのは、リクルート時代に営業3年、新規事業2年、人事採用を1年をやっていたので、ファイナンス以外は何でもできますっていうところなんですよね。なので、その会社やプロダクトの課題に合わせて、お手伝いしている感じです。

 

僕がBtoCよりも、BtoBに注力している理由はすごくシンプルで、今、世の中の変化の対応力に対する個人の意識が変わってきているからなんです。
時系列的には、テクノロジーが一番最初に変わって、その次に変わるのが個人の意識です。テクノロジーに一番触れているのは個人で、やや遅れて企業が変わり、いつまでも変わらないのは国みたいな、そういう感じだと僕は思っているんですよね。
なので、僕はtoB、toG(to Government)にかなりの時間を割いてやっています。ここで、個人と働き手が自分のやりたいことをやりながら、きちんと稼げる二兎を得られるようにするということを実現したいんです。つまり、日本人は8割が会社員なので、自分の理想の暮らしを実現するためには、会社が変わらないといけないということになるんです。
しかし、日本は世界168か国中165位のエンゲージメントという、極めて残念な状態があるので、企業を変えていかなきゃいけません。

 

 

自分の理想の暮らしを実現する社会を創るために、会社を変革するリファラル採用

西村

でも企業は、いきなり働き方を変えましょうという話にはならないので、自分は採用から入っていくわけなんですけど、採用の中でも僕が特に注力しているのが、ERP(エンプロイー・リファラル・プログラム)、いわゆるリファラル採用なんですよね。リファラル採用の良いところは、まずコストパフォーマンス・コストベネフィットですね。ここがメチャクチャ強いんです。

 

通常だったら、150万~200万くらいの費用をかけないと人を採用ができないというのが、リファラル採用だと0円とか、仮にお祝い金を渡しても10万円とかでできてしまうというところです。かつ、採用できた人は普通に採用するよりも優秀な人が採用できるし、人との繋がりで入社しているので辞めないんですよね。なので、牛丼的にいうと、うまい・安い・早いみたいなもので、経営観点からすると、やらない理由は一切なくて絶対やった方がいいんです。

 

一方、前提条件というのがあって、それがEE(エンプロイー・エンゲージメント)が高いことなんです。そうでないと、そもそも自分の会社で働くことを友だちに勧められないので。リファラル採用を本気でやろうとすることで、従業員が自分の会社で働くことを、自分の知人や友人に勧めたいと思えてくる状態を作らなきゃいけないということに対して、初めて本気になれるんですよね。

 

今までは、従業員満足度を上げましょうと言われても、企業としては、正直、なにそれ? という感じだったと思います。株主たちの期待に応えるために、業績を上げるとか、そっちの方がやっぱり大事だし。ぶっちゃけた話、「モチベーションが上がらないなら辞めちまえ」というのが、経営者の本音としてはあったと思うんです。でも、このリファラル採用をとっかかりにして、エンプロイー・エンゲージメントが必要だということに気付くことができるので、僕はこれをトロイの木馬作戦と呼んでいます。

 

 

HRリーダーの不在/HRリーダーを増やすためにHR techが必要

西村

なので、本質的には採用ではないんですけど、採用というのは間違いなく経営課題のひとつだし、その中でもリファラル採用はコストベネフィットの観点から見ても必要なので、まずはここから企業に入り込んでいます。エンプロイー・エンゲージメントは、EMPSという手法を使って可視化することができるので、この手法でリファラル採用がうまくいかない原因を調べていくわけです。すると、リファラル採用がうまくいかない原因がエンプロイー・エンゲージメントが低いことだと分かるというわけです。こういう会社は、紹介どころか、むしろ会社を辞めたいと思っている人が多いわけなので、まずはエンゲージメントを高めていかなければいけません。

 

ならば、エンプロイー・エンゲージメントを上げるために、エンプロイー・エクスペリエンスを最大化する必要があります。エンプロイー・エクスペリエンスを把握するために、エンプロイー・ジャーニーマップを描いていくことが働き方改革に繋がるんですけど、実はこれだけでは不十分なんです。
結局、働き方改革を最後に決めるのはもちろん経営者や人事の役員なんですけど、それを強烈に推し進める現場のリーダーが必要なんですね。HRリーダーがいないと絶対にうまくいかないんですよ。
でも僕がいろんな会社を見ていると、HRリーダーが生まれていないんです。理由はすごくシンプルで、HR部門が、目の前のオペレーション業務に忙殺され過ぎていて、クリエィティブなことに時間を割くような余裕が全くないからです。

 

オペレーションに忙殺されているから余裕がなく、情報収集もできずHR techのことも全然知らないんです。エンプロイー・エンゲージメントとか言っても、何だそれ? みたいな状態にあるので、働き方改革を本気で進めるためには、やっぱりHRリーダーが必要なんです。だから、HRリーダーを増やすためには、いかに目の前のオペレーション業務から解放するかっていうことがめちゃくちゃ大事なんです。でも、それは簡単なものではないので、HRリーダーやHRパーソンを楽にするためのツールとしてHR tech必要で、だから僕がお手伝いをしているというわけです。

 

柴田

実際に今、リファラル採用がうまくいっている企業はどんなところがありますか?

 

 

西村

一番わかりやすい例で言うと、メルカリさんとかfreeeさん、あとはサイボウズさんとかですね。こういった企業は、経営者が元々そこの重要性を分かっていたので、初めからそこに着手していたんですよ。

 

 

若い世代が会社に求めているマクロの貢献実感とミクロの貢献実感

柴田

大きな企業が、リファラル採用で困っているという話はよく聞くけど、逆に今の若い世代、例えば20代前半の若者たちは、どういうことを求めて会社に入ろうと思っているか、創一朗が知っていることを教えてもらえる?

 

西村

大きく分けて、3つあると思っています。
1つは、だいぶ少数になってきましたけど、やっぱりお金を稼ぎたいとか、何らかの社会的ステータスみたいなものを求めて職を選ぶという人です。
2つ目が、お金以上に貢献実感をいかに感じられるかという点を重視する人です。貢献実感というのは2つあって、マクロの貢献実感とミクロの貢献実感というのがあります。マクロの貢献実感というのは分かりやすくて、その会社が提供している事業やサービスが誰を幸せにするのかということです。

 

ミクロの貢献実感というのは、例えば、組織・チームにおいて、1年目とか2年目の若手だとしても、大手のメーカーとかのように最初は小さな仕事しか任せてもえないのではなくて、1年目なのに大きな仕事を任せてもらえるとか、その仕事を苦労しながらやりきって「お前、まだ若いのによくがんばったな」と言われるというような、組織・チームにおける貢献実感ということです。こういったマクロとミクロの貢献実感で自分のキャリアを選択する人が増えているなと思います。

 

そして3つ目、これはちょっと極端なんですけど、人生における仕事の優先順位はそんなに高くなくて、あくまで生きるため、自分が好きなことをやるために必要なお金を稼ぐものとして捉えている人たちです。昼間は心を殺し、アフター5が自分の人生の本番みたいな。この3パターンですね。

 

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「二兎を追って二兎を得られる世の中を創る」という理念を掲げる株式会社HARES CEOの西村創一朗氏にお話を伺いました。
前編では、なぜ企業がリファラル採用に取り組むべきなのか、なぜ西村氏がその領域で企業の支援をしているのか、目指すところはどこなのか、などHR領域についてのお話を中心にして頂きました。最後は、若い世代が会社に求めているマクロの貢献実感とミクロの貢献実感の話をして頂きましたが、後編では複業研究家として複業(副業)について伺います。

 

▶︎株式会社HARES

ビジョン

「二兎を追って二兎を得られる世の中を創る」

“If you run after two hares you will catch either.”

仕事と育児。本業と副業。

「二兎を追う者は一兎をも得ず」的な二者択一の世界より、

「二兎を追って二兎を得る」世の中の方が、ずっとワクワクする。

株式会社HARESは「二兎を追って二兎を得られる世の中」を目指します。

ミッション

ビジョンを実現するために取り組む具体的なミッションは次の3つです。

1.副業禁止規定をなくす(本業・複業の二兎)

2.男性の育休取得率の向上(仕事と子育ての二兎)

3.ヘアーズワーク(時間と場所に縛られず、二兎を追える働き方)の創出(仕事と家庭の二兎)

HP:http://hares.jp/
 
記事:PILES GARAGE

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