トヨタホーム、ミサワホームを子会社化した理由とは? 住宅市場縮小の影

トヨタホーム、ミサワホームを子会社化した理由とは? 住宅市場縮小の影

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トヨタホーム、ミサワホームを子会社化

2016年11月23日の日経新聞朝刊で、住宅業界のトヨタホーム株式会社(以下、トヨタホーム)がミサワホーム株式会社(以下、ミサワホーム)を買収・子会社化することが取り上げられました。

 

トヨタホームはミサワホーム株の27.8%を保有していますが、TOB(株式公開買い付け)と第三者割当増資を組み合わせて約110億円を投じ、持ち株比率を51%まで引き上げる予定です。なお、ミサワホームの上場は維持するようです。

 

今日はトヨタホームとミサワホームの概要、財務状況などを踏まえた上で、ミサワホームを買収・子会社化するに至った経緯についてご紹介します。

 

トヨタホームの概要

トヨタ自動車の事業多角化で生まれたトヨタホーム

トヨタホームは、1975年にトヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ自動車)が参入した住宅事業を、2003年に分離独立させた際に設立されました。トヨタホームはトヨタ自動車をはじめとしたトヨタグループの一員として、グループの高い技術力をもとに車との連携のほか省エネ性能を高めた住まいの開発を進めています。

 

トヨタホームの5つの事業

トヨタホームの具体的な事業は、以下の5つに分類できます。

 

  • 戸建住宅事業
  • 賃貸住宅事業
  • マンション事業
  • 街づくり事業
  • リフォーム事業

トヨタホーム、推定売上高約1600億円

トヨタホームはトヨタ自動車の子会社で非上場の会社です。そのため財務情報は公開されていませんが、トヨタ自動車の決算短信によると住宅事業の売上高は2016年3月期に158,627百万円を計上しています。

 

ミサワホームの概要

ミサワホーム、デザインと耐震に強み

一方、ミサワホームは東証一部上場のハウスメーカーで、住宅業界で唯一27年連続グッドデザイン賞、10年連続キッズデザイン賞を受賞するなど、デザイン性が高く地震に強い住宅に強みを持っています。

 

ミサワホーム、経営破綻から再生へ

かつてミサワホームは技術やデザイン力等の強みにより、住宅業界大手3社の一角を占めていましたが、事業多角化を目指してゴルフ場開発等に進出した結果、バブル崩壊により多額の負債を抱え、経営破綻。2004年にミサワホームは産業再生機構から支援を受けることになりました。

 

2005年にトヨタ自動車等がスポンサーとなってミサワホームに役員等を派遣し、それ以来トヨタホームとミサワホームは資材の共同調達等の共同事業や両社の技術を活かした耐火構造の住宅を共同開発するなど、連携を築いてきました。そして現在トヨタホームがミサワホームの筆頭株主となっています。

ミサワホームの業績、50%以上下落

 

上記の表はミサワホームのここ数年の業績を示したものです。ミサワホームの2013年3月期と2016年3月期の業績を見比べてみましょう。ミサワホームの売上高は5,000百万円ほど上昇していますが、営業利益、当期純利益はともに50%以上下落しています。

 

トヨタホームがミサワホームを子会社化した理由は住宅市場縮小

住宅市場縮小が住宅業界再編に追い込む

では、なぜこのタイミングでトヨタホームがミサワホームの子会社化を図っているのでしょうか。

 

トヨタホームがミサワホームをこのタイミングで子会社化した背景には、国内の住宅市場の縮小があります。国土交通省によると、2015年の新設住宅着工戸数は約91万戸で、2008年の約109万戸を最後に、年間100万戸を割り込む水準が続いています。住宅販売の大きな伸びが見込めない中、トヨタホームはミサワホームを子会社化することで合理化を図り生き残りを目指しているのです。

 

トヨタホームとミサワホーム、収益改善とノウハウ共有を狙う

今回の子会社化によるトヨタホームとミサワホーム両社の狙いは以下の2点です。

 

  1. 技術や商品開発、部材調達などの共通化部分を増やすことで既存事業の効率化を図り収益を改善すること
  2. 少子高齢化社会に適合するコンパクトシティ型不動産開発事業等の新規事業分野のノウハウの共有をすること

 

トヨタホームはミサワホームとの連携によって縮小懸念のある国内住宅市場での生き残りを目指し、ミサワホームはトヨタグループの信用力と資金力を後ろ盾に事業の拡大に弾みをつける考えです。

 

トヨタホーム、業界5位に浮上へ

今回の子会社化により、トヨタホームは総販売戸数で業界5位に浮上することになります。厳しい住宅業界の経営環境の中で、一段と連携を深めて両社がお互いの強みを活かしていけるのか、今後の動きに注目です。

 

執筆者:パイルズガレージ編集部

編集者:株式会社mannaka

協賛 :株式会社エスネットワークス
 

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ベンチャー企業やローカル企業にCFOコンサルティングを行っています。
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