政府主導の成長戦略、日本の先行きはいかに

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はじめに

2017年5月31日の日本経済新聞電子版によれば、2017年5月30日の未来投資会議では、企業からの申し出に対し規制を一時凍結する仕組みを新たに提唱しました。この一時的な規制凍結(一時的な規制の緩和)とは、どのようなものなのでしょうか。その中身を見ていきたいと思います。

 

未来投資会議とは何か

成長戦略の新たな司令塔となる会議(議長・安倍晋三首相)のことを指します。

 

未来投資会議は人工知能(AI)の開発加速を柱とする第四次産業革命の推進などに取り組むことを目的とした戦略会議となり、2017年1月をメドに構造改革の総点検や技術革新に向けた課題を整理し、17年年央に成長戦略をまとめる方向で始まった会議です。

 

詳しくは以前の記事「ITで医療・介護問題に光が!?」をご覧ください。[https://piles-garage.com/article/1585]

 

成長戦略のポイント

この成長戦略は、新たな技術(ICTなど)をあらゆる産業や日常生活に取り入れることで社会の課題を解決することが目的です。

 

これを実現するための施策として以下の3つが掲げられています

 

・阻害性のある規制を凍結する

・公共データを開放する

・IT人材を育成する

 

未来投資会議では、全産業にIT技術を組み入れて効果を発揮させることを目的としているため「法制度に関すること」「ITに絡むこと」が施策として多く用いられています。

 

成長戦略の素案の例

医療・物流・サプライチェーン・インフラ・フィンテックにみられる素案の例をご紹介します。

 

医療における例

医療・介護などのデータの一元化/オンライン診療/AIで診断/介護ロボットの導入

 

物流における例

無人トラックの隊列走行/無人自動走行の移動サービスの実現/ドローンによる荷物配送

 

サプライチェーンにおける例

IoTを活用したスマート保安/複数企業のデータを連携

 

インフラにおける例

公共工事の3Dデータをオープンに/インフラ点検・災害対応ロボットの開発促進

 

フィンテックにおける例

銀行のシステム接続のオープン化/新たな決済サービスの創出

 

一時的な法規制の緩和

一時的な法規制の緩和とは、未来投資会議で挙げられた様々な分野にIT技術を導入し新たな市場を創造するには、今の法規制は参入しにくいものが多くあります。

 

特にフィンテックなど、金融業界の法規制は金融の安定性を重視するため、規制が厳しく、今後市場を創出するにあたり、こうした現行法による規制を緩和する必要があります。それが「一時的な規制の緩和」という表現になります。詳しくは、フィンテックと規制緩和に関連する記事のこちらをご覧ください。「資金調達や資産運用の新たな選択肢、ソーシャルレンディングとは何か」[https://piles-garage.com/article/2224]

 

つまり、未来投資会議の内容を現実化するために、いかに現行法の規制を緩和し、ITを結びつけるチャレンジを試みるかが、日本が第四次産業革命を生き抜くために重要なポイントであるといえるでしょう。しかし、規制を緩和しすぎて、そもそもの安全性を阻害してしまう恐れもあります。

 

成長戦略のまとめ

未来投資会議が出した成長未来図が現実にできるのか、というところに不安があると言われています。

 

企業の要望を受けて、省庁が制限(法制度による)を一時緩和できるようにすることで、新しいアイデアや技術を取り込み、新たな市場の創出につなげようとする仕組みを取るとされていますが、これには申請の可否を判断するにあたり「恣意性」が介入するという不安点があります。

 

この他にも、岩盤規制やIT人材育成に関する項目でも具体的な施策は挙がっていなかったため、成長未来図が具現化することも危ぶまれています。

 

 

執筆者:パイルズガレージ編集部 牧野真也

編集者:株式会社mannaka

協賛 :株式会社エスネットワークス
 

財務・会計系コンサルティング会社。
ベンチャー企業やローカル企業にCFOコンサルティングを行っています。
「経営者の輩出」を企業理念とし会計や財務の実務支援能力だけでなく、 CFOとして求められる知識や経営センスをより短期間で身に付け、育成することを目指しています。
エスネットワークスは、「経営者の視点でニーズを掴み、経営者の視点で課題を解決し続ける、最強パートナー」を実現すべく、成長し続けています。
 
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