現代版シルクロード「一帯一路」とは? TPP、AIIB参加国比較 マーシャルプランとの違いとは?

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世界に注目される一帯一路

一帯一路に関する国際首脳会議が5月14日からの二日間で開催され、世の注目を浴びています。一帯一路って、この何年間よくマスコミで取り上げられましたが、まだ馴染みのない方もいらっしゃるかもしれません。

 

今回は、個人的な見解を混ぜながら、一帯一路を簡単に紹介いたします。

 

一帯一路とは?

一帯一路」とは、現代版シルクロード経済圏構想といわれます。

 

具体的に「一帯」とは、中国西部から中央アジアを経由してヨーロッパにつながる「シルクロード経済ベルト」を指しており、「一路」とは中国沿岸部から東南アジア、スリランカ、アラビア半島の沿岸部、アフリカ東岸を結ぶ「21世紀海上シルクロード」を指します。

 

「一帯」と「一路」という二つの経済圏で、インフラ投資、貿易促進などの目的をはかり、さらなる経済成長を求めることが目的です。

 

一帯一路、中国の目的とは?

一帯一路構想が初めて提唱されたのは2013年です。当時、日米を中心にしたTPP(環太平洋パートナーシップ協定)が活発に動き出していました。

 

一方、中国国内には、成長鈍化が続いており、過剰な投資・生産により、膨大化し続ける過剰在庫が問題視されました。

 

そのような背景で、過剰な生産能力を輸出することをめざし、TPPの対抗馬として、アジアインフラ投資銀行(AIIB)や中国・ユーラシア経済協力基金、シルクロード基金(Silk Road Fund)などの組織を基盤にして、インフラ投資を拡大しながら、中国から発展途上国への経済援助を行ってきました。

 

一帯一路首脳会議が開催、130カ国以上が参加

5月14日からの二日間、「シルクロード経済圏構想(一帯一路)」に関する国際首脳会議が北京で行われ、130カ国以上の代表が参加しました(うち29カ国からは首脳が出席)。アメリカがTPP協定からの離脱表明をした現在、「一帯一路」の動向が注目を浴びています。

 

しかし、「一帯一路」は今後、必ずしも順調に展開していくとは限らない要素も含まれています。

 

一帯一路、AIIB、TPPの参加国

以下に、一帯一路、AIIB、TPPの参加国を図示します。なお今回、「シルクロード経済圏構想(一帯一路)」に関する国際首脳会議に要人を派遣した国を一帯一路の参加国としています。

 

Chart 1 一帯一路、AIIB、TPPの参加国

 

一帯一路とマーシャルプランの相違点

一帯一路は中国版マーシャルプランではない

「一帯一路」構想は、よくAIIB、シルクロード基金などの組織と同時にあげられ、「中国版マーシャルプラン」という言い方も散見されます。

 

しかし、「一帯一路」を「中国版マーシャルプラン」と認識したら大間違いとも言えます。

 

なぜなら、最大の違いは資金・投資の受け側にあるからです。以下の図で、資金・投資の受け手側が土地、労働者、資本財を持っているのかを示しました。

 

(経済学における資源は、土地、資本、労働の3つに分けられます。)

Chart 2 一帯一路とマーシャルプランの相違点

 

マーシャプランの対象国とは?

マーシャルプランとは、第二次世界大戦で被災した欧州諸国のために、アメリカ合衆国が推進した「欧州復興計画」です。

 

復興・援助の対象となる戦後の旧先進国のヨーロッパ諸国には、戦争によってインフラがほとんど崩壊されており、かつ資金不足が深刻化した状況でありました。その一方で、経済発展の原動力となる優れた技術力、労働力がすでに蓄積されていたので、いったん資金援助を受けたら、経済が容易に回り始めます。

 

一帯一路の対象国とは?

それに対して、「一帯一路」構想の資金・投資の受け側の大半は、経済力が弱い発展途上国ということに注意しなければいけません。

 

資金面の不足は短時間で解消できますが、技術力・生産力を持つ労働者の育成には長時間がかかりますので、一帯一路沿線の各途上国に大量の資金を投下したとしても、そう容易く改善できるとは想像し難しいでしょう。

 

一帯一路は日本企業にもメリットか

「一帯一路」構想による中国の投資で、関連諸国のインフラがさらに整備されれば、日本企業にとってもチャンスになる可能性もあります。

 

一帯一路は今後、長期的な視野を持って、気長に注目していく必要があります。

 

 

執筆者:パイルズガレージ編集部

編集者:株式会社mannaka

協賛 :株式会社エスネットワークス
 

財務・会計系コンサルティング会社。
ベンチャー企業やローカル企業にCFOコンサルティングを行っています。
「経営者の輩出」を企業理念とし会計や財務の実務支援能力だけでなく、 CFOとして求められる知識や経営センスをより短期間で身に付け、育成することを目指しています。
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