JICAの今と今後の展望

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はじめに

2017年5月9日の日本経済新聞朝刊に、世界銀行グループの国際金融公社が、国際協力機構(以下、JICA)とインフラやエネルギー分野に投融資する覚書を結んだとの記事が掲載されていました。JICAは1974年から政府開発援助の実施機関の1つとして活動してきた独立行政法人です。今日はJICAの基本的な情報ついて解説していきたいと思います。

 

JICAとは

JICAはどのような機関なのか

JICAは正式名称「独立行政法人国際協力機構」(Japan International Cooperation Agency)で、政府開発援助(ODA Official Development Assistance)の実施機関の1つとして位置づけられています。

 

ODAとは、発展途上国の経済発展のために先進国が行う援助や出資を指します。日本も敗戦後の1946年~1951年に、アメリカの機関から約50億ドルのODAを受けていましたが、1954年以降は拠出側として、様々な地域に対して援助を行ってきました。

 

JICAが行う3つの事業

JICAはODAとして下記の3つの事業を行っています。

 

1.円借款などの有償資金協力

インフラの整備を目的とした長期・低金利の貸付です。金利は1%程度の場合が多く、返済期間は30年のものもあります。

2.無償資金協力

贈与として行われるものであり、円借款と違い相手国に返済の義務はありません。

3.技術協力

専門家の派遣や日本への研修員受け入れにより、相手国の自発的発展を促します。

 

日本が実施するODAの財源

日本が実施するODAの財源は財政投融資債

ODAの多くは、国債によってまかなわれています。しかし、国債とはいっても普通の国債ではなく、「財政投融資債」というもので、JICAはこれを元手に円借款や贈与を行っています。

 

財務省によると、財政投融資とは「税負担に拠ることなく、国債の一種である財投債の発行などにより調達した資金を財源として、政策的な必要性があるものの、民間では対応が困難な長期・低金利の資金供給や大規模・超長期プロジェクトの実施を可能とするための投融資活動」とされています。

 

国民に借金して外国にお金をばら撒いているわけではない

よく日本は自ら借金をして外国にお金をばら撒いていると思われがちですが、そうではありません。大前提として国民の税金は使われず、銀行などの金融機関から資金調達が行われているのです。そして日本のODAは大半が贈与ではなく、円借款など有償の資金援助であり、海外への先行投資とも言うことができます。

 

JICAによる民間への投資が広がるか

冒頭にも述べたとおり、世界銀行グループの国際金融公社が、JICAとインフラやエネルギー分野に投融資する覚書を結びました。この提携はJICAの役割を大きく拡大させることになりそうです。

 

その理由は、この投資の対象は途上国ですが、途上国の民間企業が運営するプロジェクトであるからです。JICAの業務は、途上国の「政府」向けの融資が大半であり、民間向けは少ないのが現状です。一方で、国際金融公社は民間向けの投資が主体で、そのノウハウを持っています。従って、JICAと投資活動を共有することで相乗効果が期待できそうです。今後、JICAの役割はますます広がっていくのではないでしょうか。

 

 

執筆者:パイルズガレージ編集部

編集者:株式会社mannaka

協賛 :株式会社エスネットワークス
 

財務・会計系コンサルティング会社。
ベンチャー企業やローカル企業にCFOコンサルティングを行っています。
「経営者の輩出」を企業理念とし会計や財務の実務支援能力だけでなく、 CFOとして求められる知識や経営センスをより短期間で身に付け、育成することを目指しています。
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