最大のパートナーのヤマト離脱 アマゾン、サービス維持できるか?

最大のパートナーのヤマト離脱 アマゾン、サービス維持できるか?

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はじめに

インターネットショッピング(インターネット上での商取引)で最も成功を収めた大企業の一つであるAmazon.com,Inc.(以下、Amazon)。その日本法人、アマゾンジャパン合同会社(以下、アマゾン)の取引先のヤマト運輸株式会社(以下、ヤマト)が、4月7日(金)に当日発送のサービスを廃止する事を発表しました。

 

それを踏まえた上でアマゾンの企業解説を行っていきたいと思います。

 

アマゾンの概要

Amazonとは1994年7月5日にアメリカ合衆国ワシントンシアトルで設立され、主にインターネット上での商取引を取り扱っています。

 

Amazonは2014年には日本、イギリス、ドイツ、フランス、スペイン、イタリア、中国、カナダ、ブラジル、インド、メキシコ、オーストラリア、オランダの13カ国でサービスを提供しています。

 

アマゾンのおかけで、今ではインターネット環境さえあれば、パソコンやスマートフォン、タブレットからでも気軽に欲しい商品を好きな時間24時間注文が可能です。また、アマゾンは現在では「お急ぎ便」という商品を注文した当日に届けてくれるサービスを提供しています。この当日配達サービスをアマゾンプライム会員(有料会員)は無料で利用でき、プライム会員以外の方も追加料金を支払えば利用できる便利なサービスです。また、アマゾンは忙しい方々の為に1-Clickというシステムを取り入れており、ボタンを一つクリックするだけで注文が完了する画期的なシステムです。アマゾンはITの技術が進歩するのと比例し、サービスの向上を心がけているとみえます。

 

アマゾンの特徴

アマゾンの一番の特長はやはり当日配達のサービスです。

 

現在アマゾンや楽天といったような、インターネットショッピングのサービスを提供している企業が増えてきてはいますが、即日配達のサービスを提供している企業は少なく、アマゾンのこのサービスは緊急ですぐに商品を届けて欲しい人にとっては大変便利なサービスです。

 

またアマゾンプライム会員(会員でない方は追加料金を支払う)は配達日や配達時間を指定することが可能です。平日仕事や学校で家にいない人や忙しくて夜にしか受け取りが出来ない人にとっては大変嬉しいサービスです。このアマゾンが提供する当日配達のサービスは、日本の宅配会社のきめ細かな配送網があってこそ成立するサービスです。

 

ヤマト、当日配達撤退

大手宅配会社であるヤマト運輸株式会社(以下、ヤマト)は最大の取引相手であるアマゾンの当日配達サービスから撤退することを4月7日に発表しました。

 

この主な原因としてあげられるのは、ヤマトの人手不足と配達にかかる負担です。上述した通り、アマゾンは当日配送というシステムを導入しており、多くの人がこのサービスを利用しています。このサービスは客にとって便利である一方、ヤマトのような宅配会社に大きな負担がかかっているのが現状です。

 

ヤマトは人手不足と大きな負荷で現状のような配達を維持することは困難と判断し、アマゾンに対して、当日配送の受託を縮小するよう申請しました。

Chart ヤマトの宅配便取り扱い個数推移

 

上記のグラフを見て分かる通り2007年から2016年の間に大きく増加しています。

 

アマゾン、当日宅配サービスを維持する鍵とは

ヤマトが撤退してもアマゾンの当日配送のサービスは今も尚提供されており、今後アマゾンがどのようにして運送会社の負荷を軽減していくのかが当日配送のサービスを維持するための重要な鍵と言えます。

 

 

執筆者:パイルズガレージ編集部

編集者:株式会社mannaka

協賛 :株式会社エスネットワークス
 

財務・会計系コンサルティング会社。
ベンチャー企業やローカル企業にCFOコンサルティングを行っています。
「経営者の輩出」を企業理念とし会計や財務の実務支援能力だけでなく、 CFOとして求められる知識や経営センスをより短期間で身に付け、育成することを目指しています。
エスネットワークスは、「経営者の視点でニーズを掴み、経営者の視点で課題を解決し続ける、最強パートナー」を実現すべく、成長し続けています。
 
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