富士フイルムの変化に応じた経営戦略、写真から医療に軸足 総合ヘルスケア企業へ 

富士フイルムの変化に応じた経営戦略、写真から医療に軸足 総合ヘルスケア企業へ 

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はじめに

2017年4月20日前後から日本経済新聞で「米英で140億円を投じバイオ薬の増強」「チェキとデジタルの融合」「決算発表延期」等々紙面を賑わせてきた富士フイルムホールディングス株式会社(以下、富士フイルム)。

 

富士フィルムは市場が縮小していた本業の写真フイルム事業に依存することなく、方向転換を行い現在まで成長し続けてきた企業であることは、皆さんご存知かと思います。

 

そこで、今回はその当時というよりは最近の富士フイルムの活動をみていきます。

 

富士フイルムの企業情報

富士フイルムの事業内容 写真から転換

富士フイルムの事業は写真主体から複写機、医療、印刷、液晶材料などに転換しています。

 

  • イメージングソリューション
    カラーフィルム、デジタルカメラ、インスタントフォトシステム等

 

  • インフォメーションソリューション
    メディカルシステム機材、ライフサイエンス機材、医薬品、グラフィックシステム機材等

 

  • ドキュメントソリューション
    オフィス用複写機・複合機、プリンター等

 

富士フイルムの同業他社

  • キヤノン
  • 京セラ
  • セイコーエプソン
  • リコー
  • コニカミノルタ
  • その他

*株式会社略

 

富士フイルムの最近の動向 好業績と成長探るM&A

富士フイルムの業績、営業利益増 ヘルスケア成長を目指す

富士フイルムの営業増益要因として、インスタントカメラのチェキ、内視鏡などのヘルスケア分野の拡大があります。18年3月期には、試薬企業の買収で更なる増益を狙っています。

 

富士フイルムの今後の狙いとしては、20年3月期にヘルスケア分野の成長によるROE8%の達成です。

 

富士フイルム、東芝メディカルの買収失敗 キヤノンに敗れる

富士フイルムは医療事業の規模拡大を目指し、東芝メディカル株式会社(以下、東芝メディカル)の買収に名乗りを上げましたが、キヤノンに敗れ東芝メディカルの買収に失敗しました。

 

また、現在、東芝メディカルは東芝メディカルシステムズ株式会社へ社名を変更し、キヤノン株式会社の子会社になっています。

 

富士フイルム、和光純薬を買収 再生医療を強化へ

富士フイルムがその次のM&Aのターゲットにしたのが、武田薬品工業株式会社の子会社で試薬大手の和光純薬工業株式会社(以下、和光純薬)です。買収額は1,547億円で、富士フイルムは和光純薬が持つ再生医療技術の活用を狙います。

 

2017年4月3日には、富士フイルムによる和光純薬の株式公開買い付け(TOB)が終了。富士フイルムは和光純薬の持つ試薬事業や化成品事業と富士フイルムの化学薬品などを手がける部門をまとめて、ファインケミカル事業部を設立しました。

 

富士フイルムは、日本で初めて再生医療製品を発売した株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)、iPS細胞の開発・製造最大手である米セルラー・ダイナミクス・インターナショナルの買収に加えて、和光純薬を今回買収しました。総合ヘルスケア事業を目指す富士フイルムにとっては最強の布陣といえます。なかでも、再生医療に重点を置いていることがよく分かります。

 

富士フイルムの経営者情報 CEOとCFO

古森重隆 富士フイルムHD代表取締役会長CEO 写真フイルム事業から構造転換

古森氏は、本業であった写真フイルム事業から構造転換を伴う新しい成長戦略を策定・実行しました。大きな結果を残したことでその名を知られていますが、その偉大さゆえに、現在の富士フイルムには後継者が居ないとも言われています。

 

  • 液晶用フイルムに代表される高機能材料
  • 子会社の富士ゼロックスが手掛ける複合機などのドキュメント
  • 今では医薬品や化粧品にまで業容が拡大したメディカル・サイエンス

 

など、6つの事業分野を新たな成長の核としました。

 

特に、医療の分野を重点的に投資する分野としています。

 

髙橋俊雄 富士フイルムHD元CFO 自身のCFO論に言及

高橋氏のCFO論とは

富士フイルムHDの元CFOに髙橋俊雄という方がいらっしゃいました。髙橋氏の言葉にCFOに関するものがございますので、ここでご紹介させていただきます。

 

CFOに必要なスキル

投資回収に時間のかかる新規事業で、「これは大きな事業になる」との確信を持ちながら育てていけるかどうかが問われると仰っています。これは特に、高収益の既存事業を持つ企業の経営者に必要なスキルでしょう。

 

CFOとCEOの関係性

CFOは資金面一点のみを考えるのではなくて、内部的な情報である製品・人材・組織などの様々な側面について考える必要があると仰っています。どちらかというと、CEOは市場などの外部をみる志向が強いからこそ、それらの観点を熟考する必要があるようです。

 

また、CFOは事業撤退などの判断基準を持っていなければならなく、時に立場や視点の違いから、CEOとの衝突もあるようです。それでもCFOは、CEOと強固なパートナーシップを維持できるかどうかが大切で、それゆえ相互信頼、リスペクトが不可欠であるとも仰っています。

 

富士フイルムのまとめ

富士フイルムはイノベーションの観点から、既存のテクノロジーを生かすとともに、新しいテクノロジーの開発、人材育成、採用、新しい市場に進出する良い事例とされているので、企業研究には最適でしょう。経営陣も魅力的な方々なので一度調べてみる価値は大いにあります。今後の医療事業の動向は注目です。

 

 

執筆者:パイルズガレージ編集部 宮川拓也

編集者:株式会社mannaka

協賛 :株式会社エスネットワークス

財務・会計系コンサルティング会社。
ベンチャー企業やローカル企業にCFOコンサルティングを行っています。
「経営者の輩出」を企業理念とし会計や財務の実務支援能力だけでなく、 CFOとして求められる知識や経営センスをより短期間で身に付け、育成することを目指しています。
エスネットワークスは、「経営者の視点でニーズを掴み、経営者の視点で課題を解決し続ける、最強パートナー」を実現すべく、成長し続けています。

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