素材だけじゃない、帝人って何を作っているの? 財務分析で導くヘルスケア事業の高利益率と安定性

素材だけじゃない、帝人って何を作っているの? 財務分析で導くヘルスケア事業の高利益率と安定性

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はじめに

2017年4月10日(月)の日本経済新聞に帝人株式会社(以下、帝人)が2018年末にもベトナムに自動車用エアバッグ生地の工場を新設するという記事が掲載されました。

 

エアバッグは新興国で搭載義務付けが広がっており、タカタのリコール問題を受け代替需要も増えているそうです。

 

素材で知られる帝人ですが、あまり細かくは分からないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。今回は帝人を調べていきます。

 

帝人の基本情報

帝人の沿革

Table 帝人の会社概要

 

帝人は1918年6月に帝国人造絹絲株式会社として設立されました。

 

第一次世界大戦中で、ヨーロッパからレーヨンの輸入が少なくなっていたことから創業されました。また、帝国とありますが国有企業であったわけではありません。

 

帝人の事業

帝人は以下の事業を展開しています。

 

高機能繊維・複合材料事業

アラミド繊維、炭素繊維等の高機能繊維や複合材料の製造販売

 

電子材料・化成品事業

 

ポリエステルフィルム、ポリカーボネート樹脂等のフィルムや樹脂の製造販売

 

ヘルスケア事業

医薬品や医療機器の製造販売

 

製品事業

衣類生地や繊維原料等の製造販売

 

IT事業

ヘルスケア領域向けITサービス、モバイル端末向けコンテンツ配信サービス(電子書籍、音楽)等の開発提供

 

帝人の財務分析

帝人の売上高と営業利益率

では、帝人の財務状況を見ていきます。

 

まずは、売上高と営業利益率です。一見すると、売上高に大きな起伏はあまり見られませんが、営業利益率には大きな波が見られます。2008~2009年の大きな下落はリーマンショックによるもの、2011年以降の下落は2011年の東日本大震災、2010年の欧州債務危機の長期化、中国の反日運動による影響だと見られます。

 

帝人は業績が変動しやすい事業を抱えていると考えていいのでしょうか?

 

Chart 1 帝人の売上高及び営業利益率推移

*帝人HP 業績・財務データ一括ダウンロード https://www.teijin.co.jp/ir/finance/xls/data_j.xls

 

帝人の事業部別で見る売上高と営業利益率

次は、事業部別に比較してみます。

 

Chart 2をご覧ください。比較期間は短いのですが、どの事業部も売上には特に大きな変動は見られません。

 

しかし、Chart 3の営業利益率に目をやると二極化していることが分かります。高い営業利益率を誇るヘルスケア事業部とその他の事業部という構図です。やはり、製造物の源である素材を提供する高機能繊維、電子材料は景気の煽りを受けるのは必然であると言えそうです。まず、枝葉の部分である製品が売れないですからね。

 

また、Chart 2とChart 3を比較してみると、衣料製品、テキスタイルを擁する製品事業部は、売上高は比較的多いのですが利益率の良さに欠ける面があるようです。

 

Chart 2 帝人の事業部別売上高

*帝人HP 業績・財務データ一括ダウンロード https://www.teijin.co.jp/ir/finance/xls/data_j.xls 及び有価証券報告書を元に筆者作成

 

Chart 3 帝人の事業部別営業利益率推移

*帝人HP 業績・財務データ一括ダウンロード https://www.teijin.co.jp/ir/finance/xls/data_j.xls 及び有価証券報告書を元に筆者作成

 

帝人の海外展開

最後に海外への展開の様子を見ていきます。

 

下のグラフChart 4を見ると、日本への売上が多くを占めていることは間違いないです。

 

しかし、冒頭でも触れたように東南アジアでエアバッグの装着が義務付けられているなど、今後中国以外のアジアへの展開が期待できるのではないでしょうか。

 

Chart 5 帝人の国別売上高推移

*有価証券報告書を元に筆者作成

 

帝人のまとめ

今回は、素材ビジネスで知られる帝人を見てきました。

 

今まで色んな企業を調べてきましたが、ここまで利益率が異なる事業部が混在している企業は初めてだったと思います。やはりヘルスケアは狙い目な事業分野なのでしょうか。

 

今後はヘルスケアにも注目していきたいと思います。

 

 

執筆者:パイルズガレージ編集部

編集者:株式会社mannaka

協賛 :株式会社エスネットワークス
 

財務・会計系コンサルティング会社。
ベンチャー企業やローカル企業にCFOコンサルティングを行っています。
「経営者の輩出」を企業理念とし会計や財務の実務支援能力だけでなく、 CFOとして求められる知識や経営センスをより短期間で身に付け、育成することを目指しています。
エスネットワークスは、「経営者の視点でニーズを掴み、経営者の視点で課題を解決し続ける、最強パートナー」を実現すべく、成長し続けています。
 
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