知らなかったでは済まされない、渦中の東芝を解説 不正会計の内容とは? 工事進行基準とは?

知らなかったでは済まされない、渦中の東芝を解説 不正会計の内容とは? 工事進行基準とは?

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はじめに

2015年7月に発覚した不正会計を発端に、経営上、重要な問題が次々と発覚している株式会社東芝(以下、東芝)。今回の記事では、知らなかったでは済まされない東芝の解説をしていきます。それに加え、東芝でどのような不正な会計処理が行われたのかも解説していきます。

 

東芝の歴史

東芝は1875年(明治8年)に創業者、田中久重が、政府から受注した電信機を製造するため、東京・銀座に電信機の工場を創設したことに端を発しています。1882年(明治15年)には、2代目田中久重が日本で最初の電信設備メーカーとして、東京・芝浦に田中製作所を設立しました。

 

1893年に芝浦製作所と名を改め、1904年には株式会社芝浦製作所として株式会社化を行いました。その後1939年に、芝浦製作所と、白熱灯やエレクトロニクス製品を製造していた東京電気が、東京芝浦電気株式会社として合併しました。その後1984年に、社名を株式会社東芝に変更し今に至ります。

 

東芝の事業概要

東芝の事業概要は以下のようになります。

 

エネルギー事業領域

東芝のエネルギー事業領域では、火力発電や原子力発電などの大型発電設備、水力発電、地熱発電、太陽光発電などの再生可能エネルギーの設備、送配電・蓄電設備などを製造しています。この領域には、昨今ニュースで話題になっている東芝の子会社で米国原子炉メーカー大手のウェスチングハウスエレクトリックカンパニー社(以下、米ウェスチングハウス)も含まれています。

 

社会インフラ事業領域

東芝の社会インフラ事業領域では、水道処理システムや放送システム、航空制御システムなどの公共インフラ、照明や空調、エレベーターなどのビル・施設、鉄道システムや車載用電池を製造しています。

 

電気デバイス事業領域

東芝の電気デバイス事業領域では、SSDやフラッシュメモリなどを製造しています。

 

ICTソリューション事業領域

東芝のICTソリューション事業領域では、IoTサービスを展開し、コンサルティングサービスから運用、保守までを行っています。

 

東芝はこの4領域を主要な事業領域と位置づけていますが、財務諸表上のセグメントとは異なるので注意が必要です。

 

東芝の不正会計の概要 工事進行基準で不正会計

工事進行基準とは?

東芝の不正会計の中でも、特に有名になった会計処理が工事進行基準ではないでしょうか。

 

まず工事進行基準の正しい処理について解説します。その後東芝が、どのように工事進行基準を不適切に利用したのかを見ていきましょう。

 

工事を行う際に、工事のコスト(工事原価)は毎年かかりますが、工事の儲け(工事収益)は、前金や引渡しの際に受け取ることになります。その場合、工事収益を会計上適切に認識できないため、確実に完成した部分は相手に引渡しが完了した体で、工事の進み具合(工事進捗度)によって収益を配分するというものです。

 

東芝は工事進行基準を不正使用

東芝の事例では、さまざまな不適切な会計処理がなされましたが、今回は工事進行基準による収益の前倒しに焦点を当てます。工事進捗度は、現在までの累計工事原価発生額を見積もりの工事原価総額で割って計算します。東芝は、見積もりの工事原価総額に含めるべき、将来の工事原価を過小に認識し、工事進捗度を引き上げました。このような方法を使うことで、工事収益を本来よりも前倒しして計上できます。

 

東芝の経営再建

不正会計の発覚から東芝の経営再建がどのように行われてきたのかを確認しましょう。

 

2016年3月には東芝の子会社で医療機器メーカーの東芝メディカルシステムズ株式会社(以下、東芝メディカルシステムズ)をキヤノン株式会社に売却しました。東芝は子会社のウェスチングハウスにおいて発生した減損により、債務超過になる恐れがあったため、東芝メディカルシステムズを売却して特別利益を計上し、上場廃止等の難を逃れました。また、白物家電事業を営む東芝の子会社の東芝ライフスタイル株式会社も中国の家電大手美的集団に売却し、白物家電からの撤退も決めました。このように事業の整理を行い、今後は社会インフラに注力していくことが東芝の戦略のようです。

 

東芝の今後

東芝は現在、分社化した半導体事業の売却を検討しています。東芝の子会社のウェスチングハウスがアメリカの連邦破産法を適用したため、その法的整理に多額の資金が必要になります。そこで、東芝の中核事業である半導体事業を売却することで必要な資金を獲得しようとしているようです。しかし、東芝の半導体事業で用いられている技術の中には日本の防衛技術も含まれているため、売却までには時間がかかると思われます。

 

今回は東芝の概要、不正会計、経営再建の大まかな流れなどを解説しました。東芝の不正会計事例は、CFOを目指す方はもちろん、社会人として把握しておくべき時事の一つと言えます。この解説記事だけでは書ききれない事例ですので、自分でもしっかり調べて把握しておきましょう。

 

 

執筆者:パイルズガレージ編集部

編集者:株式会社mannaka

協賛 :株式会社エスネットワークス
 

財務・会計系コンサルティング会社。
ベンチャー企業やローカル企業にCFOコンサルティングを行っています。
「経営者の輩出」を企業理念とし会計や財務の実務支援能力だけでなく、 CFOとして求められる知識や経営センスをより短期間で身に付け、育成することを目指しています。
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