景気動向指数(CI、DI)とは? 先行、一致、遅行指数とは? 分かりやすく解説

景気動向指数(CI、DI)とは? 先行、一致、遅行指数とは? 分かりやすく解説

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曖昧にしがちな景気動向指数を分かりやすく解説

2017年4月6日(木)の日本経済新聞に、景気動向指数に関する記事が掲載されました。景気動向指数は毎月内閣府が作成しており、株価予測、計量経済学、売上予測など、さまざまな用途に利用されます。景気やその指標について、新聞やニュースでよく目にするものの、ざっくりとしか理解していない人も多いのではないでしょうか?

 

そこで本日はそういう方のために、景気動向指数について解説していきます。

 

景気とは?

まず、そもそも景気とは何でしょうか?英語ではeconomyやbusinessと訳されるのを見てわかるとおり、社会全体の経済状況が活発で、個々の企業の仕事や雇用が上手く回っていると景気が良いと言い、逆に失業率が高く賃金が低く、会社や個人の消費や売上が落ちている状態を景気が悪いと言います。

 

しかし、景気は企業の売上、雇用の状態、消費者の動向など様々な要素が絡み合っているため、一義的に定義されているものではありません。また、それゆえに1つの指標で表されるものでもありません。

 

そのため様々な指標を組み合わせて、景気を表す必要があるのです。

 

景気指数とは?

景気指数は3種類、28個存在する

そこで、景気の状態を表すために用いられる指標が景気指数です。

 

先ほども述べたとおり、企業の業績や消費の良し悪しなど様々な要素が景気を表すために必要であるため、景気指数もいくつか存在します。2017年現在、合計28個の景気指数が存在し、度々利用される景気指数は見直されます。

 

景気指数には、先行指数一致指数遅行指数の大きく分けて3種類の指数が存在します。

 

一致指数とは?

一致指数は現在の景気とほぼ一致して変動する指数で、企業の利益や生産求人倍率などがあります。一致指数は現在の景気の状態を把握するのに用いられます。

 

先行指数とは?

先行指数は一致指数より数ヶ月先行して変動する指数で、一致指数に影響を与える指数です。例えば機械の受注量などが用いられます。企業がより多くの機械を導入すれば、生産量が増加し、市場に出回る商品の量と連動して売上と消費の増加が見込まれるため、景気は良くなります。他には新規求人数なども用いられます。求人数が増えることにより、雇用が増加し給料を受け取る労働者の数が増え、また企業の売上の増加にも繋がるため、景気が良くなります。先行指数は経済、株価、業績の予測に用いられます。

 

遅行指数とは?

遅行指数は景気や一致指数の影響を受けて変動する指数であり、一致指数の妥当性の事後確認に用いられます。例としては、法人税収入消費者物価指数などがあります。景気が良くなれば、当然企業の業績が向上するため税引前の純利益は向上します。それに伴い、税収入も増えるため、法人税収入は遅行指数となります。消費者物価指数とは商品の物価を示すものであり、景気の回復により消費者の消費が増えると需要が増加し、それに伴い物価が上がるため、遅行指数に分類されます。

 

一致指数、先行指数、遅行指数の関係性

一致指数、先行指数、遅行指数の関係性を時系列で示しました。

 

Chart 一致指数、先行指数、遅行指数の時系列的関係性

 

景気動向指数のCIとDIとは?

景気指数は景気動向指数の構成要素

これらの一致指数や先行指数、遅行指数のことを景気動向指数と誤解する人が時々いますが、これらは景気指数と呼ばれるものであり、これらの景気指数を組み合わせて、景気動向指数が求められます。

 

景気動向指数にはCIComposite Index)とDIDiffusion Index)の2種類があります。

 

CIとは?

CIは景気の変動を量的に捉える指標であり、基準年の値に対する割合で表現されます。具体的には、2017年に内閣府により公表された指標では平成22年の値を100として、各年度の値を平成22年と比較して算出します。120であれば平成22年の1.2倍の景気動向指数で、80であれば0.8倍の景気動向指数となります。

 

CIは各年度の比較が容易であるという長所がありますが、外れ値(極端に大きいあるいは小さい値)の影響を受けて、本来の値から多少ずれてしまうという欠点があります。そのため前年度から大きく景気の変化がない場合、景気が回復あるいは後退しているのかを判断する際、外れ値の有無により結果が変わったりします。

 

DIとは?

DIは各指標を前年度との比較で、増加、横ばい、減少に分類し、その割合(%)で算出されます。DIは各年度の比較には向きませんが、景気が回復局面か後退局面かを判断するのに役立ちます。

 

また、CIとDIの両方を組み合わせて用いることで、多角的な分析が可能となります。

 

CIやDIの特徴に応じて景気動向指数を使いこなす

景気動向指数は計量経済学、株価の予測、時には事業計画書の作成など様々な用途に用いられます。実際にデータ分析などで用いる際は、CIやDIそれぞれの景気動向指数の算出方法や長所、短所をしっかり把握する必要があるためご注意ください。

 

 

執筆者:パイルズガレージ編集部 嶋本幸之助

編集者:株式会社mannaka

協賛 :株式会社エスネットワークス

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