トランプが要求、日米FTAとは? 背景にある日米貿易摩擦の歴史と現在

トランプが要求、日米FTAとは? 背景にある日米貿易摩擦の歴史と現在

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トランプ政権、日米FTAを要求

2017年3月15日、16日にかけて、トランプ政権が日本に2国間自由貿易協定(以下、FTA)を求めていく姿勢が鮮明になったと日本経済新聞に取り上げられ、話題になっています。それに伴い、FTAは日本の農業や車の業界に多大な影響が及ぼされることが示唆されています。

 

本日は日本と米国の貿易の変遷や、日本の自国の産業の保護の観点から、米国とのFTAについて解説していきます。

 

FTAとは?

FTA(Free Trade Agreement)とは輸出入に関して関税や非関税障壁の撤廃・削減を定める協定で、米国・シンガポールFTAなどの2国間のものや、NAFTAなどの複数国間の協定があります。

 

日米貿易摩擦の歴史と現在

では、なぜ米国は日本にFTAを求めているのでしょうか?
Chart 1を見てください。20年前から日本と米国の貿易において、日本の輸出額が輸入額を大幅に上回っており、2015年には約7.2兆円 の米国の貿易赤字です(日本は貿易黒字)。そのため米国の貿易赤字による貿易摩擦が長年にわたり日米間で問題視されていました。

 

Chart 1 日本の対米国の輸出入額の推移

 

そのため、日米間では貿易摩擦解消に向けて様々な協定が結ばれました。1985年には米通商法301条により日本のパソコン、テレビ、自動車に100%の関税を設定し、またプラザ合意により円高が進み、1990年代半ばには1ドル80円前後で推移するなどしたため、貿易摩擦はだいぶ緩和されました。

 

しかし、日本のメーカー、特に自動車メーカーは輸出では高い関税がかかるため、アメリカ国内やアメリカとの関税がほとんどかからないNAFTA圏内のメキシコに生産拠点を置いて販売し、米国の雇用や生産に打撃を与えるようになりました。

 

こうしたこともあり、トランプ政権はNAFTAからの離脱や再交渉を検討しています。

 

現在、日本からアメリカへの自動車の輸出には2.5%の関税がかかる一方で、アメリカからの輸入車には関税はかかりません。しかし日本車のアメリカへの輸出台数は175万台近くあり、アメリカ車の輸入は2万台ほどであるため、トランプ政権は生産拠点を海外に移す企業に高い税金をかける「国境税」により、さらにアメリカの自動車産業に有利になるような措置を検討しているのが現状です。

 

日本、農業を政策で手厚く保護

では、日本は自国の産業の保護のためにどのような政策が施行されているのでしょうか?

 

代表的なものが農業です。農地の固定資産税が他の用地より安く、農家に全国で約4兆円 の補助金を提供しているなど、農業は他の産業に比べて強い保護を受けています。また農産物の輸入品にかけられる関税も高く、玉ねぎに約8.5%、椎茸に約13%、パイナップルやリンゴに約17%の高い関税が掛けられており、米に至っては国内の小売の価格より関税の方が高いのが現状です。

 

そこでトランプ政権はこれら農産物の関税の撤廃を求め、アメリカ企業が日本の農業に参入できるように求めています。

 

日米FTA、両国のメリットとデメリットの考慮が重要

トランプ政権が日本とのFTAに意欲を示したことにより、様々な議論がされています。自国の産業を守るために米国では自動車、日本では農業を保護する政策を出しましたが、保護により国際競争力を失うとの意見もあります。

 

しかし、今まで保護していた産業において、急に規制が緩和されると短期的に打撃を受けることは間違いありません。日米両国の利害を考慮しつつ、公平な協定が結ばれることが重要です。

 

 

執筆者:パイルズガレージ編集部 嶋本幸之助

編集者:株式会社mannaka

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