「地域をイノベーションの聖地に」ファミリアクリエイト 川本氏が目指す地方のあり方【前編】

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「欲しがられる人材になりたい人が集まるプラットフォーム」である、『PILES GARAGE』。企業を”個”の力で支える、「杭(PILES)」のような人材を育てる「場所(GARAGE)」として、「欲しがられる人材」とはどのような人材であるのか、様々な人のお話を聞くことで改めて考えてみようと立ち上げたこの対談企画。

 

今回は、 地域ブランドプロデューサー 兼 ファミリアクリエイト代表の川本氏にお話を伺いました。ファミリアクリエイトは川本氏の地元である広島県廿日市市と東京にオフィスを構え、「地域をイノベーションの聖地に」というビジョンを掲げ活動されています。単なるプロモーション業を行うのではなく、地域のクライアントの課題を一緒になって考え、解決に向かっていくスタイルを大切にされている川本氏に、事業の立ち上げから現在に至るまでのお話と、川本氏が感じる地方の課題等をお伺いしました。PILES GARAGE編集長の柴田との対談をぜひ、お楽しみください。

 

以下

川本:地域ブランドプロデューサー 兼 ファミリアクリエイト 代表 川本 真督

柴田:株式会社mannaka 代表取締役 柴田 雄平

 

自分の能力を活かしてキャリアを築くということを真剣に考え始めた

柴田

それではまず、ファミリアクリエイトの事業について教えてください。

 

川本

ファミリアクリエイトには、現在、事業の柱が3本あります。一番大きな柱はプロモーションやブランディングのコンサルティングです。特に今は地域ブランディングに特化して、例えば地域の野菜やお米を使ったオリジナル弁当の販売を企画して、プロモーションのスケジュールを組み、イベントの企画も行ったりしています。経営的な側面から決算書等も見せて頂きながら、実際にプロモーションと数字がどのように紐づいていくのかを見えるようにしています。今、こういった支援のニーズが非常に高まっています。

 

2本目の柱は、今お話ししたような支援経験やノウハウを元にした専門家業務です。商工会議所の専門家派遣制度で専門家として派遣され、セミナー講師を務めたりしています。

 

最後に3本目の柱は、創業支援活動です。ここは自分自身のビジョンやライフワークとして力を入れてやっていきたいと考えているところです。既に広島、岡山、東京などで開催していますが、今までのノウハウをカリキュラム化して創業支援研修などを今後積極的に行なっていきたいと考えています。

 

柴田

川本さんが、ご自身で事業を始めたきっかけは何だったんでしょうか?

 

川本

僕の経歴としては、大学院を卒業後、都内でITコンサルの仕事を始めました。大学院では、統計や理論系が得意だったので、そういうスキルを活かして稼げるようになりたかったんですね。ただ、今だから言えますが「丸の内でITコンサル」ってかっこいいなという思いの方が強かったんです。僕は高校、大学、大学院と、割と普通のレールに乗って、あまり自分の進む道について考えずにきてしまったので、「かっこいい」とか「人が認めれくれそうなもの」を選択して生きてきたんですよね。しかし、その仕事があまり自分には合わなくて…。実は、最初はポジティブな理由ではなく、ネガティブな理由で事業を始めたんです。

 

企業では3年間仕事をしたのですが、就職してから初めて「自分の能力を活かしてキャリアを築く」ということを真剣に考え始めました。社会人1年目の頃から、転職や起業という選択肢も考えながら、起業塾や経営スクールのようなものに自己投資したりしていましたね。

 

創業前の副業時代には本当にいろんなことに取り組んでいました。アフィリエイトや物販なども経験し儲かりましたが、あまり好きではないと思いました。そんな活動をしていく中で、僕は人の話をしっかり聞き、一緒に伴走するというのが好きだということに気づいたんです。そこに気づくことができたので、起業した後はブレなくなりました。

 

そして当社を創業したのが28歳の時です。パラレルキャリアみたいなことも考えていたんですが、僕個人としては、中途半端でキャリアを積めないと思ったので、起業をすることに決めました。

 

 

創業間もない頃は、無知ゆえの強さがあった

柴田

事業をスタートさせた時に困ったことにはどんなことがありましたか?

 

川本

困りごとばかりでしたね。まず売上を立てること、そして生きていく辛さを知りました(苦笑) 元々会社員で副業をしていたので、いざ事業をスタートさせてみると、全てにおいて考えが甘かったことに気づきました。商品設計、経費計算から何から何まで、なかなか副業のレベルを超えることができていませんでしたね。

 

それからお金の感覚もなかったので、最初所得税の請求がきた時にはお金がない時なのに「税金ぐらいで日和っているわけにはいかない」と思って、一括で払ってしまったりしていました…。今でこそ笑い話ですが、当時は本当に何も分からず…。強気というよりただの無知でした。なので周りの人には随分助けてもらいました。

 

集客100人なんて余裕でしょ、と思って大きな会場を借りようとした時も周りの人が止めてくれて、結局蓋を開けたら20人しか集まらなくて助かったなんてこともありました(苦笑) 逆に集客が大成功したこともありましたが、それも強気というより、無知ゆえの強さでしたね。

 

 

柴田

今は創業何年目ですか?

 

川本

今年7年目です。7年やってようやくだなという感じがしています。

 

柴田

ライフワークとライスワークで考えた時に、ライスワークが成り立ち始めたのはいつ頃ですか?

 

川本

2年目くらいですかね。1年目は強気なチャレンジをたくさんしましたが失敗ばかりで。2年目くらいからなんとか生活が出来るようになりました。

 

柴田

ライスワークが成り立つようになったきっかけは何だったんですか?

 

川本

お金の使い方が計画的になったということでしょうか。創業1年目でお金の使い方が分かるようになって、無駄使いはしなくなりました。夢を持って、必死でいろんなことに挑戦していたので、成功する時は大きく成功していましたが、かなり波がありましたね。だから2年目からは数字を安定させようとしてなんとかライスワークが成り立つようになったのですが、元々チャレンジャータイプだったので楽しさも少なくなり、これならサラリーマンと変わらないと思ったこともありました。

 

そんな状況をなんとか変えたいと思っていた時に、自分のルーツや自分が本当にやりたいことをもう一度真剣に考えてみたんです。そして、自分の中で見つかったのが「祭りやフェス」だったんです。僕は「旅祭」というイベントが大好きで、「旅祭」が自分のモチベーションのルーツのようなものだということに気づきました。あんなイベントを自分自身でやりたいとずっと思っていたことに気づき、その勢いでフェスをやることに決めたんです。

 

それから音楽プロデューサーの方に相談しに行き、僕の出身の広島県廿日市市でフェスをやることにしました。そこから企画を始めてスタートしたのが創業3年目です。フェスの会場は山頂にあるバーベキュースペース。そこを全部貸し切って、山の斜面に特設ステージを作ることにしました。

 

会場が決まってからは、東京に住みながら、東京ー広島間を毎月往復してミーティングをしていました。協賛金を集めたり、人脈もない中でひたすら人に会いに行きました。人脈を辿り、アーティストもなんとか集まり、創業支援というキーワードを使い、地域で創業をしているような人を巻き込んだりもして、なんとか形になったのがイベント「一縁祭」の1年目でした。

 

それからですね。地域の人脈がものすごく広がり、中国新聞さんなどのメディアに取り上げてもらったりして、また勢いが出始めたのが企画を始めて3年目。こういった活動を通じて、社会貢献活動というものがどういうものかということが分かったり、ビジョンを伝えるということや、実行委員会の組織の作り方、役所との付き合い方や企画書の打ち方など勉強になりました。

 

 

人材不足が地方の一番の課題

柴田

地方でも活動されている川本さんにお聞きしたいのが、現在の地方の課題についてです。課題はいろいろあると思うんですが、川本さんは特にどの辺りが課題だと感じていますか?

 

川本

やっぱり一番の課題は人材不足だと思います。基本的には東京一極集中なので、人材が流出しています。過疎地も人口が激しく減っていますが、地方都市も緩やかに人口減少していますね。ただ、仕事がないとか人的資源が足らないということだけが課題だとは思っていません。

 

僕の感覚ではありますが、働き方がどんどん変わっている中でそれに対応ができていない、新しいことを取り入れる力が足りないというところにも課題があるように思います。地方でも新しい情報を知らないかというと、決してそういうことでもありません。新しい情報を知っていても、その情報や技術の使い方を知らない、知ろうとしない、もしくは知っていてもその教育ができない。ITに関してだけではなく、マーケティングなどについても同じことが言えます。東京には研修やセミナーなどがあるので、リテラシーが高いですが、地方にはそういうものがないのでそのあたりの課題感も大きいのではないかと思います。

 

柴田

僕自身も最近、地方に行くことが多いですが、マーケティングの部分については、Webを使う旨味をまだ知らない人が多いので、なんとか課題解決したいとは思っています。

 

川本

マーケティング的な話になると、やっぱり経営的な話になるので、最近は決算書なども見せてもらいながら、相手に寄り添って、経営課題の改善としての話をするようにしています。これまではそこまで求められていないと思っていたのですが、やはりそこまでやってこそ本物だと思うので、相手の経営課題としっかり向き合いながらブランディング計画やプロモーション計画を立てています。

 

 

ーーーー

今回は、 ファミリアクリエイト代表の川本氏にお話を伺いました。前編では、川本氏の事業の立ち上げに至るまでのリアルなお話と、地方の課題についてお伺いしました。ネガティブな理由からの起業というお話や、起業されてから苦労されたというなかなか他では聞けないかなりリアルな悩みをお伺いすることができました。これから起業される方や、起業を考えている方にとっては、大変参考になるお話だったのではないかと思います。

 

後編では、前編に続いて広島で活動する川本氏から見える地方の課題についてと、地方・東京それぞれの地域の若者に向けてのメッセージを伺っています。後編もぜひお楽しみに。

 

▶︎ ファミリアクリエイト

Vision 〜 地域をイノベーションの聖地に 〜

Mission 〜 おもしろきこともなき世をおもしろく 〜

1.私たちは地域の中で、イノベーション人財を輩出するために尽力します!!
2.私たちはブランドづくり、PR支援により社会に貢献し、好きを志事にすることが当たり前の環境を作ることに尽力します!!
3.私たちは地域が面白く・輝くプロジェクトを新たに作り出し、若者が輝いて働ける環境を創出します!!

 

HP:http://familia-create.com/

 

記事:PILES GARAGE

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